「清原監督」実現は最速で4年後 学生野球資格を回復

 しかし、全国的に見ると元プロの監督は数十人とみられ、非常勤のコーチなどはともかく、これまでに資格回復した約1600人が高校監督に入り込むには、よほどの指導力と知名度がないと厳しいのが現状だ。

 実際、日本野球機構(NPB)が毎秋、教育リーグ「フェニックスリーグ」に参加した若手選手に実施しているアンケートでも、引退後にやってみたい仕事として「高校野球指導者」は調査が始まった25年から5年連続でトップだったが、30年は4位に転落。令和元年は3位、2年は2位で、最新の2年の調査では「会社経営者」がいずれもトップで、選手の側もこうした事情を理解していることがうかがいしれる。

執行猶予明けから5年後

 では、抜群の知名度を誇る清原さんの場合はどうだろうか。

 清原さんの場合、ネックとなりかねないのが平成28年に覚醒剤取締法違反罪で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決が確定したことだ。同協会の指導者に関するガイドラインには「適任者に該当しない者」として執行猶予の期間経過後5年を経過していない、との規定がある。清原さんの執行猶予期間は昨年6月15日に満了したため、清原さんが指導可能になるのは令和7年6月以降となる。

 球界からは「指導者として社会復帰できるなら歓迎すべきこと」とする一方で「やはり薬物による有罪判決だけに、学生の指導をするのはどうか」との意見もある。4年後に清原さんに声をかける高校や大学があるかは現時点では不透明だ。

 平成20年に現役引退した清原さんをあまり知らない球児よりも、PL学園高(大阪)やプロ野球で活躍した姿を知る保護者がどう感じるかだが、ある関係者は「あれだけのスーパースター。4千校ほど高校があれば、呼ぶ学校はあるのでは」と「清原監督」が実現する可能性を指摘した。

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