日本ハム矢沢宏太投手(23)がみやざきフェニックス・リーグの韓国選抜戦に「9番・DH」でスタメン出場し、2回に右越えソロを放つなど3安打3打点と気を吐いた。今季の課題を踏まえ、本塁打を打つスイングにこだわり、同リーグで目標に掲げていた2発を早くもクリア。練習では投手メニュー主体にこなしており、来季、二刀流として本格稼働する準備を着々と進めていく。

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矢沢のフルスイングが戻ってきた。1点リードの2回2死、1ボールから真ん中高めの変化球を豪快に振り抜き、右翼スタンドに運んだ。フェニックスリーグでは前日まで9打数1安打。「なかなかヒットが出なくて。もうちょっと打率を伸ばしたいなあと思っていた1打席目でホームランだったので良かった」。10日韓国選抜戦以来の1発で勢いに乗ると、5回にはバント安打、7回2死二塁で右前適時打と火がついた。

同リーグでは打率3割、2本塁打を目標に掲げており、早くも本塁打ノルマはクリア。「もう1本打てるスイングで、3割を目指す。目標のホームランを打てたから、ホームランなしでという考えだとヒットが出なくなる。ホームランを打てるスイングの中でいいアプローチをしてヒットにできたら」。打率は1割1分1厘から2割8分5厘に急上昇。同様のスイングをベースに、率を上げていく。

同時に投打二刀流として来季本格稼働するための準備を進める。フェニックスリーグ中、試合は野手として出場も、練習は投手メニューをこなす。今季、1軍にいる間はなかなか投手メニューに加われなかった分、オフにしっかり取り組み、質を上げていく。島崎2軍投手コーチは「まずはストレートをいかにゾーンに入れていくか」と話しており、腰や腕の使い方など課題を設定しながら逐一修正し、制球力を安定させていく。

今季、投手としての登板はわずか2試合、打撃は1割7分7厘、1本塁打と納得いく成績は残せなかった。「投球の練習は今までより時間がある。二刀流を続けて(来季は)どちらもレギュラーを目指してやっていきたい」。この日の宮崎市の最高気温は26・9度。ぎらぎら照り付ける太陽の下、たっぷり汗を流し、2つの刃を研ぎ澄ませる。【永野高輔】

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