パイオニアとメモリーテックは13日、片面256GB/両面512GBの「データアーカイブ用 次世代大容量光ディスク」を発表した。ブルーレイディスクとほぼ同じ仕様となっており、現在のブルーレイディスク対応ドライブで再生できるという。

今回の光ディスクは、記録層とガイド層を別にした「ガイド層分離型多層ディスク構造」を採用。光ディスクの片面に記録層×8層を積層することで、256GBの大容量を実現した。さらに両面化技術を用いることで、1枚の光ディスクに最大512GBの記録容量を確保することも可能としている。

ガイド層分離型多層ディスク構造(パイオニアのプレスリリースより)

既存フォーマットとの親和性も高く、記録装置には現在のブルーレイディスクドライブと同じ光学的仕様(記録用レーザー波長、対物レンズなど)、エラー訂正方式、符号化方式を採用している。このため、ブルーレイディスクへの記録・再生も可能。

「データアーカイブ用 次世代大容量光ディスク」の主な仕様(パイオニアのプレスリリースより)

パイオニアとメモリーテックでは、「片面10層」サンプルディスクの試作にも成功している。既存の信号処理を応用することで両面720GB、さらに新しい信号処理方式によって片面12層以上を積層し、1枚の光ディスクで1TB以上の大容量が実現可能と考えているという。

なお、今回発表された光ディスクは、例えば図書館や美術館の原資料、公文書などの情報を長期保存するデジタルアーカイブ用途を想定している。光ディスクへの保存は他の手法より保守費用が安く、浸水などの災害時でもデータ再現率が高い(信頼性)といった点が評価されており、一層の大容量化が求められていた。メディアメーカーである三菱化学メディアも技術協力しており、市場導入に向けた協議を行っているとのこと。