イラン核合意

イラン、「外交的勝利」にわく ロウハニ政権への支持も拡大 

 【カイロ=大内清】イラン核問題をめぐり欧米など6カ国とイランが最終合意に達したことについて、イラン国内では、核開発の権利と経済制裁の解除を勝ち取った「外交的勝利」としてロウハニ政権を支持する論調が広がっている。対米強硬派の保守層も今のところは限定的な批判にとどめており、今後の合意履行と制裁解除の進展を見守る姿勢を示している。

 最高指導者のハメネイ師は15日、ロウハニ大統領らの労をねぎらうとともに、合意内容の達成のために「精神的な支えが必要だ」と述べ、ロウハニ師への支持を改めて鮮明にした。

 イランではハメネイ師が内外の重要政策の最終決定権を持っており、同師のお墨付きを得ることはロウハニ政権が求心力を維持する上で大きな意味を持つ。

 イランは協議を通じ、「核開発は当然の権利だ」と主張。合意では最長で15年間、濃縮ウランの貯蔵量を大幅に制限することや、国際原子力機関(IAEA)による制限付きでの軍事施設への査察などが盛り込まれる一方、核開発能力を維持することを欧米側に容認させる成果をあげた。

 ロウハニ政権としては、国家としての面目を保った上で制裁解除という実利を得るのに成功した格好だ。

 イランからの報道によると、14日の合意発表後、首都テヘランでは多くの市民が街頭にくり出し、ロウハニ師や交渉チームを率いたザリフ外相を称賛した。

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