ロシアで入籍するのにもっとも好まれているのはいつ?

Alexey Maishev/Sputnik
 毎年、およそ100万組のカップルが結婚するのだが、実は真の結婚ブームとなるのはこの日なのである。

 ロシアでは気候の良い夏に結婚式をあげるカップルが多い(それも金曜が多いのは、祝宴を週末にかけて続けて行うことが出来るからだ)。しかし、寒い冬の平日でも、自治体の結婚登録所は新婚カップルで溢れている。 

 中でも人気のある日には、役所はいつもとは違う特別な場所においても結婚の申請を受け付けられるようにしている。例えばスケートリンクやケーブルカー、地下鉄の中だ。 

クラスナヤ・ゴールカ(赤い丘)

 この日はかつて異教徒が新婚カップルを祝う日であったのが、ロシア正教にも取り入れられた。一方で、この日はロシア正教のイースター(4月終わりから5月初めで、年によって違う)後の最初の日曜であり、教会は四旬節(マースレニッツアの直後)からイースターまでの間禁じられていた結婚式を再開する。しかし、異教徒の時代は、クラスナヤ・ゴールカは新春と、若者たちが長い冬が終わって結婚式を挙げられることを祝う日であった。(この祝日についてもっと知りたければこちらから)。

 だが、ロシアではこの日から結婚シーズンが始まる。結婚登録所は結婚をあげることが出来る新しい場所を提案する。たとえば2022年、あるモスクワのカップルはモスクワ川のクルーズ船で結婚した。「私は未来の夫であるセルゲイと結婚の準備をしていた時、モスクワ川で式を挙げることが出来ることを知った。」「・・・と言うのも、わたしたちはよくモスクワ川でクルーズを楽しんでとても面白かったし、それが良い思い出として残っているから。そして、日曜日の天気が、晴れて春の陽気になることを天気予報で確認したうえで、船上で結婚式を挙げることを満場一致で決めたんです」とアナスタシア・マモントワさんは言う。 

7月8日:家族、愛、忠誠の日

 ロシアでは、7月8日は家族、愛、忠誠の日として祝い、伝統的な家族の大事さを再確認するための休日となっている。これは比較的新しい休日で、2008年に正式に制定された。この日はまた、ロシア正教における結婚の守護聖人である「聖ペテロと聖フェブロニアの日」としても知られている。この2聖人の故郷であるムーロム(ウラジーミル州)ではこの日に祝祭が行われる。

 また、この日は新婚だけでなく、既婚者も改めて結婚式を行うことがある。2021年、モスクワでは、このような式が1970年代のスタイルで行われた。ヴィクトルとラリーサ・ライセンコ夫妻は56年前に結婚したが、再び結婚式を挙げることにした。結婚指輪の代わりに2人はデイジーの花を交換し、お祝いのカラヴァイ(パイ)を食べて祝った

ヴァレンタイン・デー

 ヴァレンタイン・デーに結婚式を挙げる若いカップルも多い。2月14日に2人が初めて会った日だというカップルもいる。「2月14日は、5年前に私たちが初めて会った記念日なのです。だからこの日に結婚式を挙げることにした。夏に結婚することは考えもしなかった。わたしたちは冬が好きなのです。それに写真を撮るにしても冬の方が美しいので」とノヴォシビルスク出身の新婚カップル、エカテリーナとアントンは言う

シティ・デー

 ロシアではシティ・デーに結婚式を挙げるというもうひとつの伝統があり、多数のカップルがこの日に入籍する。たとえば、エカテリンブルク(ウラル地方)では1983年以降、市当局が新婚カップルのためにくじ引きでマンションのひと部屋をプレゼントしている

 グロズヌイ(チェチェン共和国の首都)では、市政199年と200年をむかえた2017年と2018年にそれぞれ199組と200組のカップルが一緒に結婚式を挙げた。この集団結婚式は市中心部の高層建築地区で行われ、そこには、花で飾ったハート形が連なった小径がつくられた。そして市政200年にちなんで、他の200組の家族もまたマンションを受け取った。

 モスクワでもシティ・デーに結婚するカップルは多く、およそ1000組のカップルがこの日に入籍し、また同じくらいのカップルがその前後の日に結婚する。

「ゾロ目」の日

 しかし、ロシア人が結婚するのにもっとも良い日だと考えているのは「ゾロ目」の日だ。2022年でもっとも人気のあったのは2月22日(22.02.22)で、ロシアで7000組ものカップルがこの日に結婚している。この数は他の日の3倍にあたる。

 オムスク出身のアントンとオクサナ・コルピコフ夫妻はこの日に結婚式を挙げることを6か月前から決めていたと地元紙は伝えている

 アントンは自身が数字オタクであることを自認しており、2並びはカップルのことを意味すると信じている。「私たちには何か良い事が起こると信じていいます。もちろん、一番大事なのは愛で、他のすべては二の次ですが」とこのカップルは語る。

 2月2日と2月20日も人気がある。

 2021年には毎月21日に結婚式が多かった。モスクワでは、特に8月21日(21.08.2020、1100組のカップルが結婚した)が人気だった。2020年には2月20日が多かった(20.02.2020)。このような日には結婚登録所は、夜中まで受け付け時間を延長している。

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