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ウクライナに侵攻しているロシア軍が、包囲と攻撃を続ける南東部マリウポリの住民を強制連行しているとウクライナ側が非難している。マリウポリ市議会は約1万5000人が連行されたと説明している。最終的に露極東サハリンなどに送られ、ロシアからの出国を2年間禁じられるという。
ウクライナ外務省は24日の声明で、住民約6000人がウクライナ旅券を没収され、親露派武装集団が実効支配する東部ドネツク州にある「選別収容所」に送られたとの「信頼できる情報がある」と指摘した。強制連行は、明白な国際法違反だと強調した。
ウクライナ側によると、選別収容所では、露情報機関の要員らが、住民を尋問したり、携帯電話の交信内容などを確認したりし、今後の処遇を決めているという。ロシアでも経済的に困窮している地域に送られ、「就職」も提示されるとしている。
ウクライナ最高会議の人権オンブズマンは、ロシアによる強制連行について、第2次世界大戦でのナチス・ドイツと「同様のことをしている」と批判した。ロシアの前身、旧ソ連の独裁者スターリンは、少数民族などを「敵性民族」や「危険分子」と認定し、大規模な強制移住を行っていた。