３年ぶり７度目の年間総合優勝を決め、近藤監督を胴上げする香川ナイン＝高知球場
【高知―香川】４回表香川１死一、二塁、田代が３点本塁打を放ち三塁を回る＝高知球場
【高知―香川】力投する香川の先発林亮太＝高知球場
四国アイランドリーグplus・2021年シーズンの年間総合優勝を争うチャンピオンシップ（CS）第2戦は25日、高知球場で行われた。前期優勝の香川オリーブガイナーズは、後期優勝の高知ファイティングドッグスを8―4で退け、2連勝で3年ぶり7度目の年間総合優勝を決めた。独立リーグ日本一を争う「グランドチャンピオンシップ（GCS）」は新型コロナウイルスの感染拡大などを考慮し、2年連続の開催見送りが決まっている。今年のGCSは四国IL、ルートインBCリーグの年間総合優勝チームとBCリーグ栃木、九州アジアプロ野球リーグ優勝チームの計4チームが出場し、トーナメント方式で実施される予定だった。
▽高知市営
香 川（前期優勝）
002300120―8
000000220―4
高 知（後期優勝）
▽勝 林亮太
▽敗 山崎
▽本塁打 田代（3）（香）
▽三塁打 冨田、吉岡▽二塁打 サンフォ▽盗塁 棟方▽失策 宝楽、松尾、大原▽暴投 谷村、大高▽与死球 大高2（桑原、松尾）
▽試合時間 3時間1分
（香川は優勝）
【評】香川は打線がCS2戦連続の10安打で8得点と機能した。三回2死一塁から冨田と望月の連続長短打で2点を先制し、四回は田代の左越え3ランで加点。七回は失策絡みで6点目を加え、八回は2死満塁で堀北が右前2点打を放った。
投手陣は先発の右腕林亮太が7回を5安打2失点、9三振無四死球と好投。最速146キロの直球を軸に、六回までは散発2安打無失点と試合をつくった。八回以降は左右5人の継投で、高知の追い上げを振り切った。
投打一丸、力出し切った 田代3ラン 林力投9K
九回2死。香川が勝利まであと一人にこぎ着けたとき、近藤監督は前日の第1戦で完封した右腕近藤壱をマウンドに送った。エースに優勝の瞬間を味わわせたいという首脳陣の粋な計らいに、背番号11は「ありがたかった」と感謝の思いを込めて全力投球。146キロの直球で8番を空振り三振に仕留めると、仲間と抱き合って喜びを爆発させた。
勝てば年間総合優勝が決定する一戦に気負うことなく、香川ナインは持てる力を出し切った。
打線は第1戦でサヨナラ打の3番冨田が三回に先制の三塁打を放つと、4番望月も適時打で続いて幸先良く2点を先制した。さらに四回は1死から7番白方の右前打と四球で一、二塁とし、9番田代が「最高の感触だった」と左越え3ラン。これで5点差をつけ、主導権をがっちりと握った。
先発林亮太の7回2失点の好投も勝利には欠かせなかった。自慢の速球で打者のバットを差し込み、切れのあるスライダーも生かして毎回の9奪三振。11日に26歳を迎えた右腕は島根から駆け付けた両親の前で勝利投手に輝き、「ラストで今季1番の投球ができた」と充実の表情を浮かべた。
近藤監督はチームの指揮を執って初めての年間総合優勝。これまでに香川の選手やコーチとして年間総合優勝の経験はあったが、今回は格別。「NPB（日本野球機構）経験者じゃなくても、独立リーグの監督が務まることを示せた」と勝利をかみしめた。年間総合優勝の回数と同じ7度、宙を舞い「もちろん、僕だけじゃ成し遂げられなかった優勝。1年間、一緒に戦ってくれた選手やコーチに感謝したい」と万感の思いを込めた。
食らいつけた
冨田慎太郎三塁手（三回に先制の右翼線適時三塁打）後ろにつなぐ意識で食らいつけた。後期は個人的にもチーム的にも苦しい時期があった。最後に年間総合優勝という形で終われて良かった。
集中し打てた
望月涼太遊撃手（三回に2点目の左前適時打）近藤監督から「いい場面で一本を」と言われていた。集中して打ち、大事な1点を取れた。香川は勝ちながら成長した。本当にいいチームだった。
優勝うれしい
堀北彰人中堅手（八回に貴重な右前2点打）気持ちだけで打った。高知は手ごわい相手だった。優勝は素直にうれしい。今季はチームと一緒に自分も成長することができ、いい1年になった。
