セ、パ両リーグの新人王が26日に発表され、記者投票の結果、セは村上(ヤクルト)が近本(阪神)を39票の僅差でかわし選出されました。甲乙付けがたい成績の2人はともかく、ネット上では「木浪(阪神)、床田(広島)に1票ずつ入れたのは、どこのアホ記者だ!?」と批判の声も上がっています。日本では記者が投票先を明らかにすることはまれですが、実は私も過去に“やらかした”ことがあります。
2002年のセMVP投票(3人連記)で、メジャー移籍前年にして本塁打、打点の2冠に輝いた松井秀喜外野手(巨人)ではなく、無冠だけれど勝負どころの8月の3度を含め、4度もサヨナラ打を放ち「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれた阿部慎之助捕手(同)の貢献度を買い1位にしました。松井は私の1票で満票を逃しました。先輩記者には「NPB関係者に『満票で松井をメジャーに送り出してやるのが筋でしょ! 誰ですか、このへそ曲がりは?!』と取材して、驚いた。おまえだっていうじゃねえか」と叱られました。当時のデスクにも「こういうことで奇をてらうのはだめだ」といわれました。当時の私なりの価値観に従って投票したつもりでしたが…。
いずれにせよ、メジャーのように、もっと投票した記者が理由を公にする気風があってしかるべきかもしれません。(運動部・宮脇広久)