シンガポールで40年ぶり暴動、南アジア出身者27人を逮捕

シンガポールで暴動、外国人労働者の死亡事故きっかけか
12月9日、シンガポールの観光名所の一つ、リトル・インディアで暴動が発生し、群衆が車両に火をつけひっくり返したほか、警察と衝突した(2013年 ロイター)
[シンガポール 9日 ロイター] -シンガポールの観光名所の一つ、リトル・インディアで8日夜、暴動が起き、約400人が車両に放火し警察と衝突した。同国で大規模な暴動が起きるのは約40年ぶり。
警察は暴動に関与した疑いで南アジア出身者27人を逮捕したとし、数日以内にさらに逮捕者が出る見通しだと発表した。
暴動の発端は、インド国籍の男性(33)がリトル・インディアで私営バスにはねられ死亡した事故だとされている。リトル・インディアは通常、毎週日曜日にバングラデシュやインド出身の建設労働者でにぎわっている。
市民防衛当局によると、警察車両3台と救急車、バイクが放火された。警察は、バスの事故が起きた後に約400人が暴徒化し、警官約10人が負傷したと発表。シンガポール人の関与はなかったとの見方を示した。暴動鎮圧のため当局者300人が投入されたという。
インターネット上に掲載された複数の動画などでは、暴徒がバスのフロントガラスを破壊したり、複数の車両に火を付けたりするのが確認できる。
リー・シェンロン首相はフェイスブックで、暴動の背景が何であれ「暴力的で破壊的な犯罪行為は許されない」とコメント。容疑者を特定し、法律に基づき対処すると強調した。
シンガポールで暴動が発生するのは、中華系とマレー系の住民が衝突した1969年以来、初めて。同国では暴動で有罪となれば最高7年の禁錮刑とむち打ち刑が科される可能性がある。
今回の暴動を受け、低賃金の外国人労働者の不満が拡大する可能性も懸念されている。
*情報を更新して再送します。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab