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ヘリウム漏れの原因はタンクの栓に異物 みちびき3号機搭載のロケット

12日午前、準天頂衛星みちびき3号機を搭載し打ち上げ予定だったH2Aロケット35号機=鹿児島県南種子町の種子島宇宙センター(草下健夫撮影)
12日午前、準天頂衛星みちびき3号機を搭載し打ち上げ予定だったH2Aロケット35号機=鹿児島県南種子町の種子島宇宙センター(草下健夫撮影)

 政府の準天頂衛星みちびき3号機を搭載したH2Aロケット35号機で起きた不具合について、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、第1段にあるヘリウムタンクの栓に異物が付着していたことが原因と発表した。対策は完了しており、19日午後2時29分に打ち上げる。

 不具合が起きたのは、エンジンに燃料を供給する配管などのバルブの開閉に使うヘリウムガスのタンク。密封用の栓を覆っている金属製のシールに大きさ約0.5ミリの異物が付着し、タンクとの間に隙間ができてヘリウム漏れが生じたことが分かった。

 異物は機体に断熱材を取り付けるための接着剤と判明。栓の装着前に写真で点検した際にはなかったが、その後に付着したとみられる。

 35号機はタンクの調達が遅れたため、機体を組み立てる順序を変更。この影響でタンクに関連する作業中に見えにくい場所が生じたことも背景にあるという。

 発射場がある種子島宇宙センター(鹿児島県)で会見した同社の平嶋秀俊射場チーム長は、基本的なミスと認めた上で「新たな知見を得た。対策強化を徹底したい」と話した。

 不具合は12日の打ち上げ前の点検中に判明。タンクの栓を覆うシールを交換し、打ち上げに支障がないことを確認したとしている。

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