アルゼンチンのバルデス半島沖で、船のすぐ下を泳ぐミナミセミクジラ。写真家のジャスティン・ホフマン(Justin Hofman)氏は、「最高の場所、最高のタイミング、最高のクジラだった」と振り返る。 誰もが思わず“二度見”してしまうこの写真は、ミナミセミクジラの大きな体と海上の小さな船の対比が注目を集め、インターネット上で大きな話題となった。
セミクジラは本当は地球上で最も優しい生物ともいわれながら、人間のせいで絶滅の危機に瀕している。皮肉な話だ。
ホフマン氏の撮影隊は先日、ブエノス・アイレスからウスワイアにかけてパタゴニア地方の海岸沖をクルーズ船、ナショナル ジオグラフィック・エクスプローラー号で南下。ミナミセミクジラをとらえることに成功した。
一眼レフカメラと水中ビデオカメラを携え、この好奇心が強く、穏やかで、シャイな生き物にできる限り近づこうとした。
「ほとんどの写真は2メートル以内の距離で撮影されている」とホフマン氏は話す。
今回の撮影旅行は、事前に入念な計画が必要だったという。
「眠りに就く前、毎晩のように撮影の手順を思い描いていた」。撮影隊に認められた海上移動の日数は、わずか1日だけだった。「ほとんどセミクジラに取りつかれていたよ。チャンスは1回限りだとわかっていたからね」。
写真のセミクジラと出会った海域は、信じられないほど風がつよい。「年中いつでも航行許可が取り消される可能性があった。だから、1日しか許可が取れなかったのに撮影に出たのは、大きな賭けだった」。
写真の評判がインターネットで広まると、本物かどうか疑う声が出始めるようになった。
「何人もの人から“この半水中写真は偽物なのではないか”というメールやコメントをもらったよ」とホフマン氏は話す。「しかし、はっきり断言しておくが、これは合成写真ではない。完璧な位置に船を運んだ操縦士の卓越した技術があったからこそ可能になったものだ」。
Photograph by Justin Hofman
セミクジラは本当は地球上で最も優しい生物ともいわれながら、人間のせいで絶滅の危機に瀕している。皮肉な話だ。
ホフマン氏の撮影隊は先日、ブエノス・アイレスからウスワイアにかけてパタゴニア地方の海岸沖をクルーズ船、ナショナル ジオグラフィック・エクスプローラー号で南下。ミナミセミクジラをとらえることに成功した。
一眼レフカメラと水中ビデオカメラを携え、この好奇心が強く、穏やかで、シャイな生き物にできる限り近づこうとした。
「ほとんどの写真は2メートル以内の距離で撮影されている」とホフマン氏は話す。
今回の撮影旅行は、事前に入念な計画が必要だったという。
「眠りに就く前、毎晩のように撮影の手順を思い描いていた」。撮影隊に認められた海上移動の日数は、わずか1日だけだった。「ほとんどセミクジラに取りつかれていたよ。チャンスは1回限りだとわかっていたからね」。
写真のセミクジラと出会った海域は、信じられないほど風がつよい。「年中いつでも航行許可が取り消される可能性があった。だから、1日しか許可が取れなかったのに撮影に出たのは、大きな賭けだった」。
写真の評判がインターネットで広まると、本物かどうか疑う声が出始めるようになった。
「何人もの人から“この半水中写真は偽物なのではないか”というメールやコメントをもらったよ」とホフマン氏は話す。「しかし、はっきり断言しておくが、これは合成写真ではない。完璧な位置に船を運んだ操縦士の卓越した技術があったからこそ可能になったものだ」。
Photograph by Justin Hofman