国連、ISの戦闘員2~3万人が残存しているとの見方示す

 【カイロ=佐藤貴生】国連はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などテロ組織に関する新たな報告書をまとめ、シリアとイラクにISの戦闘員2~3万人が残存しているとの見方を示した。英BBC放送(電子版)が14日に伝えた。

 シリアとイラクのISは昨年、掃討作戦で壊滅状態に陥ったが、報告書は一部は交戦を続けており、その中には「数千人の外国人テロ戦闘員の集団」も含まれているとし、両国に少人数で極秘の組織が存在する可能性があるとしている。

 ISはシリア東部デリゾールの一部地域を支配し、産出される原油を抜き取って販売しているほか、隣接するイラクとの国境周辺などで襲撃を行っている。イラクではISが完全に支配している地域はないものの、治安部隊の拠点を狙う細胞が浸透しているという。

 戦闘に加わるため、両国に入った外国人は2011年以降、推定で約4万人に上るが、出国した者は「予想よりも少ない」としている。ISはアフガニスタンやリビア、東南アジア、西アフリカに関連組織を維持しており、国際テロ組織アルカーイダはソマリアやイエメンで存在感を強めているとしている。

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