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【エルサレム=金子靖志】イスラエルで17日に開かれた新政権発足後の初の閣議で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を併合するための法整備を早期に実現したいとの考えを示した。
新政権は新型コロナウイルスに対処する挙国一致内閣と位置付けられ、感染拡大防止や悪化する経済の立て直しなどを掲げる。新型ウイルス対策以外の法案は当面保留する方針だが、併合に向けた法整備の着手は例外とした。
米国のトランプ大統領が1月末に発表したイスラエルとパレスチナとの和平案は、入植地を中心に、西岸の約3割をイスラエル領と認めている。ネタニヤフ氏は併合について「和平を遠ざける行為ではなく、近づける行為だ」と述べた。
併合に向けた動きは、11月に大統領選を控えるトランプ氏の追い風にもなるため、ネタニヤフ氏は今後、併合への積極姿勢を打ち出していくとみられる。
西岸を将来の独立国家の領土と位置付けるパレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長の側近は17日、読売新聞の取材に、「併合は一線を越える行為。我々への宣戦布告だ」と警告した。