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「取材で精神的苦痛」橋下知事の訴え退ける 大阪地裁

2008年7月17日11時34分

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 橋下徹・大阪府知事が知事就任前、写真週刊誌「フラッシュ」の取材で承諾なく写真を撮られ、精神的苦痛を受けたとして、発行元の「光文社」(東京)と同誌の男性記者に慰謝料30万円を求めた訴訟で、大阪地裁は17日、請求棄却の判決を言い渡した。沢田忠之裁判官は「橋下氏の当時の社会的地位や記者の取材目的に照らし、受忍限度を超える人格侵害があったとはいえない」と述べた。

 判決によると、橋下氏は昨年6月、大阪市の民放テレビ局の玄関先で記者に声をかけられ、写真を撮られた。取材は、03年に橋下氏がテレビ番組で「日本人による買春は中国へのODA(政府の途上国援助)みたいなもの」と発言したことの真意を確認する目的だった。写真や記事は掲載されなかった。

 橋下氏は裁判で「いまは知事という公人なので、いつどこで取材されても仕方ないが、当時は私人で無断撮影される理由はない」と主張した。しかし、判決は「弁護士として相当数のテレビ番組などに出演し、時事問題についてコメントする立場にあり、まったくの一私人ではなかった」と指摘。「橋下氏の発言内容からすると、記者の取材目的には合理性や公共性があった」と判断した。

 判決について、橋下知事は府庁で報道陣に「別にないです。裁判の結果に従うだけです」と話した。一方、光文社広報室は「当方の主張が認められた当然の結果と受け止めている」とコメントした。(宮崎園子)

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