飯田線の長野県内有人駅を3つに JR東海、9駅を無人化方針
東海旅客鉄道(JR東海)が長野県内の飯田線の有人駅9駅を来年4月から無人化する方針を明らかにした。飯田線の県内54駅(辰野駅除く)のうち有人駅を伊那市(伊那市)、飯田(飯田市)、天竜峡(同)の3駅のみに減らし効率化を図る。県南部の7市町が関係しており、リニア中央新幹線が通過予定の地元には波紋が広がっている。
無人化を打ち出したのは伊那松島(箕輪町)、沢渡(伊那市)など9駅。駒ケ根駅のように駒ケ根市中心部の駅も含まれる。いずれも現在はJR東海の子会社が駅の管理を受託している。
地元自治体が費用を負担して簡易委託販売契約を結べば、駅員を残すことはできる。JR東海は地元7市町に年末までに回答を求めている。
JR東海によると路線の利用は減っており、駒ケ根駅の場合だと、2011年度の1日平均の乗車人数は568人と1989年度比で6割減った。同社は「路線を維持するために効率化を図る」としている。同線の愛知県、静岡県内の駅については今回、無人化の対象としていない。
飯田市の担当者は「広域連合などで対応を協議したい」としつつも、「打診ではなく通告という感じ。方針を覆すのは難しいかもしれない」と漏らす。
JR東海は県内で4月から飯田線の平岡駅(天龍村)を無人化。中央西線の上松、南木曽駅でも10月から地元自治体への簡易委託販売契約に切り替えている。
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