安倍氏の責任について言及を避けた二階氏

 自民党の二階俊博幹事長は31日の記者会見で、大規模買収事件で当選無効となった河井案里元参院議員の陣営に対する党本部からの1億5千万円提供を巡り、当時党総裁だった安倍晋三前首相の責任をはぐらかした。林幹雄幹事長代理の「先週までに話した通りだ」とする「割り込み発言」を黙認した上に、再質問には「専門家(林氏)が述べた通りだ」と取り合おうとしなかった。

 二階氏は先週の会見で、資金提供を組織決定した責任は「総裁(安倍氏)と幹事長(二階氏)にある」と強調していた。

 この日、安倍氏の説明責任を問われると、背後に控える林氏が「先週までに話した通りだ。ご理解ください」と口を挟んだ。改めて幹事長としての見解を求められた二階氏は、林氏を1億5千万円提供問題の「専門家」と呼んだ上で、質問に正面から答えず、安倍氏への言及を避けた。(樋口浩二)

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