ピーチアビエーションの挑戦

　安さを売りに、空の旅を変えつつあるLCC。なかでも関西空港を本拠とするピーチ・アビエーションは「LCC元年」の2012年から飛躍を続けている。そもそもLCCはどんなものなのか、ピーチ成功の理由はどこにあるのか。秘密を探った。

LCCとは

　Low Cost Carrierの略。低コスト運営で、安い運賃を提供する航空会社。路線網が豊富で、多様なサービスを行う既存社（ＦＳＣ　フルサービスキャリアーなどとも呼ばれる）に対し、路線を絞った運航▽単一機種の座席を増やして高頻度運航▽インターネット予約▽預け入れ荷物や機内食の有料化、といった手法をとる。日本では格安航空会社の呼び名で定着した。

誕生のひみつ

「空飛ぶ電車」感覚、新たな需要をイノベーションで(2016/09/30)

　８月２０日午前７時前。ＬＣＣのピーチ・アビエーションが使う関西空港の第２ターミナルが人波で埋まった。「ちょっとそこまで買い物に行く」といった風のサンダル履きやＴシャツ姿の若い人が目立つ。…[続きを読む]

拠点のひみつ

２４時間運用の関空に決めた　「アジアの懸け橋になる」(2016/09/30)

　ＬＣＣモデルとして「空飛ぶ電車」を思いついたピーチ・アビエーションの井上慎一社長（５８）。本拠は関西空港と決めた。なぜ、関空、関西だったのか。…[続きを読む]

ブランド戦略のひみつ

モモってめでたい！　「キュート＆クール」路線でいこう(2016/09/30)

　ＬＣＣは既存社と違って、機体はカラフルな色使い。社名もなんだか航空会社っぽくない。なぜ？
　ピーチ・アビエーションのイメージカラーは、鮮やかな赤紫の「フューシャ」なんだとか。ピンクとも紫とも、ちょっと違う。…[続きを読む]

パイロットのひみつ

機長、低燃費へ高度な挑戦　快適に定刻到着、気流が難問(2016/09/30)

　飛んでいる飛行機もコスト削減ができる。一体どうやって？
　ピーチ・アビエーションの機長、占部文和さん（４２）は「実は、飛ぶ高さで燃費が変わるんです」。高い所だと空気が薄く抵抗が少ないため、燃費がよくなるそうだ。…[続きを読む]

ＣＡのひみつ

和気あいあい心掛け　警官・看護師・ＤＪ…経歴多彩(2016/09/30)

　ピーチ・アビエーションが就航する前の２０１１年夏。坂口優子さん（２７）は大阪市内の銭湯の番台にアルバイトで座っていた。ある日、うちわを手にした母が息を切らせて帰ってきた。「あんたもＣＡ（客室乗務員）なれるかも知れへんで」…[続きを読む]

整備のひみつ

単一機種で効率化　習熟度高まり、交換部品も同じ(2016/09/30)

　関西空港の駐機場でも目立つ色使いの機体。ピーチ・アビエーションにはエアバス社のＡ３２０という飛行機が１７機ある。これで国内線と国際線の計２４路線をまかなう。…[続きを読む]

革新のひみつ

コスト減へ新旧の技　人工知能の活用とぶらさがる配線(2016/09/30)

　ピーチ・アビエーションはイノベーションという言葉を掲げている。「革新」「新機軸」といった風に解釈されている。今回は飛行機ではなく、地上でその答えを探そう。…[続きを読む]

運賃のひみつ

需要次第で刻々変動　新たな発案、ソウル日帰りも(2016/09/30)

　ＬＣＣの魅力はやっぱり安い運賃。少しでもお得にゲットするにはどうすれば良い？
　ピーチ・アビエーションの冬ダイヤの関空―成田の運賃表を見た。最低３６９０円、最高１万７１９０円、その間には１２通りの運賃。…[続きを読む]

自治体連携のひみつ

「沿線開発」ともに潤う　旅先と連携、魅力を発信(2016/09/30)

　ピーチ・アビエーションはこの夏、空港などに置くＰＲ用の機外誌「ＰＥＡＣＨ　ＬＩＶＥ」を創刊した。大阪の観光スポットなどの特集の中で、目に留まったページがあった。長崎県東彼杵（ひがしそのぎ）町。恥ずかしながら、どこ？…[続きを読む]