「桜を見る会」のサントリー酒類無償提供問題、安倍晋三氏や元秘書ら不起訴 東京地検特捜部

2022年12月16日 21時16分
2019年の「桜を見る会」であいさつする安倍元首相=東京・新宿御苑で

2019年の「桜を見る会」であいさつする安倍元首相=東京・新宿御苑で

 安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」前日の夕食会に、サントリーホールディングスが酒類を無償提供していた問題で、東京地検特捜部は16日、政治資金規正法違反容疑(政治資金収支報告書の不記載など)で告発されていた安倍氏や配川博之元公設秘書ら4人について、いずれも不起訴とした。安倍氏は被疑者死亡のためで、秘書らは嫌疑不十分。
 夕食会を巡っては、同法違反罪で略式命令を受けた配川氏の刑事確定記録で、サントリーが2017〜19年、毎年15万円相当の酒を無償提供していたことが判明。会計責任者の秘書らは収支報告書に寄付として記載せず、安倍氏らは監督責任を怠ったなどとして市民団体が告発していた。
 特捜部は、酒の提供は「参加者への広告宣伝目的だった可能性が排除できない」とし、後援会などへの寄付とは認められないと判断した。無償提供は企業による違法な政治献金に当たるとし、同法違反容疑で告発されていたサントリーの担当社員については、公訴時効(3年)成立で不起訴とした。
 一方、20年12月の後援会の収支報告書訂正を巡り、検察審査会が今年9月に不起訴不当の議決をした配川氏ら2人について、特捜部は再び不起訴とした。(太田理英子)

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