NHK連続テレビ小説『おちょやん』は視聴率の視点から見ると、苦戦しているといっていいだろう。朝ドラで数字(視聴率)が稼げないとなると、いつもなら批判記事などが躍るものだが、こと『おちょやん』に関してはそうした批判が目立たない。そこには、ヒロインの圧倒的な演技力があるからだという。
『おちょやん』は初回の平均視聴率は18・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。
「近年の朝ドラは視聴率が盛り返していることもあり、数字的には厳しい船出となりました。しかし、その後も18%台もしくはそれを下回る状況です」とテレビ誌編集者。
松山英樹(29)がアジア人で初めてマスターズを制した今月12日には、TBS系の中継に押され、13・2%というワーストをたたき出してしまったほどだ。
「不調の理由がさまざま言われていますが、やはり朝からどぎつい関西弁が飛びかったことが大きかったのではないでしょうか。特にトータス松本が演じたヒロイン千代の父親、テルオが登場するときは河内弁で怒鳴り合うわけですから、関西人でもかなりつらいときがありました」と先のテレビ誌編集者。
これだけ数字的には不調な『おちょやん』だが、不思議とネガティブな批判が目立たない。
「テルオが登場するとネットがざわつきましたが、それ以上に千代を演じる杉咲花の圧倒的な演技力が批判を封じ込めているのです」と民放関係者。
そして「特に3月から4月にかけて、千代には怒濤(どとう)のごとくの不幸が押し寄せました。その都度、千代がツーっと涙を流すのです。有無を言わせぬ演技がドラマ全体を引き締めています」と続ける。
まだまだ千代は不幸に見舞われそうだ。どこまで杉咲の演技は視聴者をうならせるのだろうか。