新日本プロレス21日後楽園ホール大会で、IWGPジュニアヘビー級王者の石森太二(39)が「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」覇者・高橋ヒロム(32)の挑戦を退け初防衛に成功した。

 BOSJ史上初の3連覇の金字塔を打ち立てたヒロムとの王座戦は、互いに一歩も譲らない意地の張り合いとなった。エプロンでのパイルドライバーという非情技を繰り出した石森は、サイファーウタキからブラディークロスを狙う。だが、これをD(変型三角絞め)で切り返されると劣勢に。コーナーデスバレーボムからTIME BOMBを浴びてしまう。

 それでも王者の意地で3カウントは許さない。再度のブラディークロスにカウンターのスタナーを浴び、さらにスタナーを連発されてもTIME BOMB2・5と雪崩式TIME BOMBはことごとく阻止。雪崩式リバースブラディーサンデーで試合の流れを一変させると、最後はついにブラディークロスをさく裂させ35分超の死闘に終止符を打った。

 王者と覇者の頂上決戦を制した石森は「お前ら、ヒロムが勝つと思っただろ? ざまあみろ! このベルトは、エル・デスペラードから取り、そして今日! BOSJ3連覇した高橋ヒロムもこのザマだ。事実上のトップ2人を倒したぞ。次のチャレンジャーいねえんじゃねえか?」とマイクアピール。すると何とここでKUSHIDAが登場。会場が大歓声に包まれる。

 KUSHIDAは2019年1月の新日本退団後の同年4月にWWEと契約。21年4月にはNXTクルーザー級王座も獲得したが、今年4月に契約を解除されていた。

「いま、契約書にサインをしてきました。新日本プロレスに復帰します。(フロリダから)ロスに引っ越して、残りのプロレス人生をすべて新日本プロレスの発展に捧げます」と宣言すると「強すぎて挑戦者がいなくなっちゃったんじゃないですか? いるんだよ、ここに俺は!」と挑戦を表明した。

 3年半ぶりに戻ってきた男からの対戦要求に石森は「いきなり来てすぐ挑戦? ムシがよすぎねえか? 時間をかけて、てめえがチャレンジャーとしてふさわしいか。俺が査定してやるよ!」とキッパリ。王者の権限として早期挑戦は否定したが、ジュニア戦線に新展開が生まれそうな気配だ。