参院選2013 山形

自民・大沼氏、現職破る

 安倍政権の人気に支えられ、全国的に「1人区」で自民勝利が予想される中、大激戦に。結局は、追い風を受けた自民新人の大沼瑞穂氏(34)が、みどりの風現職の舟山康江氏(47)を破った。

 山形市表蔵王の選挙事務所では「当確」のテレビ速報に、大歓声と拍手がわき起こった。大沼氏は「苦しい選挙でしたが、支えてくださった皆さまのおかげです」とあいさつ。「自民党と一緒になり、山形の声を国政に届けたい」と声を詰まらせた。自民は長い間、県内の参院2議席を独占してきたが、平成19年の参院選で当時、民主の舟山氏に敗れており、6年ごしの悲願の議席奪還となった。

 県農協政治連盟が反TPPの舟山氏を推薦し、舟山氏は民主や社民などと「反自民態勢」を構築して猛追。自民は山形を重点選挙区と位置づけ、安倍首相が2度も来県し、閣僚らも次々と訪れて大沼氏の知名度不足の解消と陣営の引き締めをはかったのが功を奏した。

 ◆舟山氏「私の力不足」

 一方、舟山氏は山形市城西の選挙事務所で、「自分の力不足。だが全国的に自民優位の中ここまで接戦だったのは、山形県民がTPPに大きな危機感を持っていることの表れだということを分かってほしい」と敗戦の弁を語った。

 吉村美栄子知事や民主党県連会長の近藤洋介衆院議員も舟山氏を支持したが、厚い組織戦を展開する自民に及ばなかった。

                   ◇

 ◇選挙区の結果

 【山形】

 19年【民】 22年【自】

 (1-4)開票率 92%

 当 256627 大沼 瑞穂 自 新 【公】

   234296 舟山 康江 ミ 現 【社】

    32758 太田 俊男 共 新

     6426 城取 良太 幸 新

                   ◇

 大沼(おおぬま) 瑞穂(みずほ) 34 〔1〕

 元東京財団研究員(外務省専門調査員・NHK記者)慶大院

会員限定記事会員サービス詳細