吉川元農相汚職事件、鶏卵大手アキタフーズ元代表が贈賄認める 東京地裁で初公判

2021年6月28日 11時36分
 自民党衆院議員だった元農相の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で起訴=に現金計500万円を渡したなどとして、贈賄罪などに問われた鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)元代表の秋田善祺よしき被告(87)は28日、東京地裁の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 起訴状によると、2018年11月~19年8月、吉川元農相に大臣室などで計3回、国際機関が示す「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づく飼育環境の厳格化案に反対するなど、業界に便宜を図ってほしいなどの趣旨で計500万円を提供したとされる。
 また、河井克行元法相(58)=公選法違反罪で東京地裁が実刑判決、控訴=と吉川元農相のパーティー券計534万円分を、名義を偽装して19年に購入したとされる政治資金規正法違反罪にも問われている。
 特捜部は昨年7月、19年の参院選広島選挙区を巡る河井元法相夫妻の買収事件の関係先として、アキタ社を家宅捜索。秋田被告が吉川元農相に現金を提供した疑惑が浮上した。
 元農相は昨年12月、慢性心不全などの体調不良を理由に議員辞職。その3日後、東京地検特捜部が衆院議員会館の事務所などを家宅捜索した。元農相は今年1月に自民党を離党し、同15日、収賄罪で在宅起訴された。
 事件を巡っては、農林水産省が今年2月、秋田被告から接待を受けたとして、事務次官ら同省幹部6人を処分している。

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