きっかけの種

広がる「思いやりの心」 身近なSDGsに挑戦を より良い未来をつくるアクション

コミュニティ「きっかけ」で集まった声からニュースを発掘します。
コミュニティ「きっかけ」で集まった声からニュースを発掘します。

新型コロナウイルスの新規感染者数減少に伴う制限緩和も広がり、「ウィズコロナ」生活が本格化してきた。急激な社会の変化を経験し、自身の生活スタイルや行動を見直す人も増えている。コミュニティ「きっかけ」でも、持続可能な社会への関心が高まっている。「SDGs(持続可能な開発目標)」でもある地球環境の保護や、他者との支え合いなど社会のために役立ちたいといった投稿が目立った。

「子やその先の世代に安心できる環境を残したい」「エコな生活をする」「自己中心的な考え方をなくす」「思いやりの心を持つ」・・・。

「きっかけ」で先月下旬から「関心のある社会テーマ」と「社会をより良くするアイデア」を募ると、延べ500件近くの投稿があった。関心のあるテーマとしては経済、医療を挙げる人が多かったが、特徴的だったのは社会を良くするアイデアについての投稿。節電やゴミの分別など環境保護のための生活の工夫を紹介する声が多かった。

続いて「助け合いが当たり前の社会にしたい」という、パートナーシップを意識する投稿が多く、65歳以上の高齢者を中心に幅広い年齢層から声が上がった。「まず情報を集めたい」「自分にできることをやりたい」と、意欲の高さがうかがえる投稿も多かった。

「大地震、台風や集中豪雨などの気象災害、さらにコロナ禍を経験し、『独り善がりじゃ生きていけない』『社会とともに歩まなければ』といった意識が幅広い世代に広がった」と話すのは、SDGs研究の第一人者である慶応大大学院政策・メディア研究科の蟹江憲史(のりちか)教授‖写真(蟹江研究室提供)。経済界の取り組みが広がったことや、メディアでの発信が増えたことも手伝って「世界でも珍しいほどブーム的な広がりを見せている」とする。

一方で、「何をすればいいのか分からず、実際の行動が伴っていない人も多い」と懸念を示す。SDGsには17の目標があるが、「日本では環境保護に関する目標が注目されがちだ。重要なコンセプトは『誰一人取り残さない』。電車で席を譲ることは公平な社会につながるし、家族の役割分担を考えることはジェンダー平等にもつながる。身近な問題に気づいてほしい」とする。

SDGs達成度ランキングでは世界18位の日本。ジェンダー平等や気候変動対策、陸や海の持続可能性、パートナーシップへの取り組みが課題とされている。蟹江教授は「自分の関心のあるテーマについてインターネットなどで調べれば、身近な取り組みはすぐに見つかる。ぜひ楽しみながらやってみてほしい」としている。

「きっかけ」とは

産経新聞社が運営するコミュニティ。現在約2万人の参加者が、コミュニケーションを交わしており、「参加者の会話が社会性のあるニュースになるメディア」をコンセプトに運営を行っている。登録、参加は無料 https://www.beach.jp/community/KIKKAKE/index

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