200メートル自由形と2種目に挑む不安はあった。心を落ち着かせるため、「派遣記録を切って優勝インタビューされることをイメージしていた」と自らに言い聞かせた。実際は泣き笑いの受け答えとなり、「自分でも涙が出てくるとは思っていなかった」と驚いた。
「五輪は世界から注目される。決勝に残れるぐらい上位を目指して頑張りたい」
今年に入り日本記録を塗り替えた50、100メートル自由形にもエントリーしており、今大会は1週間で最大12レースを泳ぐ。池江のシンデレラストーリーが幕を開けた。 (江坂勇始)
★生まれなど 2000(平成12)年7月4日生まれ、15歳。東京・江戸川区出身。東京・淑徳巣鴨高1年。1メートル69、55キロ
★競技歴 3歳で水泳を始め、江戸川区立小岩第四中2年時に出場した14年のジュニアパンパシフィック選手権100メートルバタフライで銅メダル。昨春の日本選手権では、200メートル自由形で3位。リレーメンバーとして世界選手権代表入り
★伸び盛り 中学3年間で身長が15センチ伸び、現在は1メートル70近くまで成長。学校の整列も、女子では一番後ろ
★中学3年間で… 一番変わったのは、本人曰く成績の低下。「中学1年のときとかそこそこ学力もあったのに…。頭がバカになりました」
★男子顔負け 小岩第四中時代の給食の好物はオレンジ。おかわりするためのジャンケン大会には男子に交ざり積極的に参加
★母は教育のプロ 母の美由紀さんは、幼児教室「七田チャイルドアカデミー本八幡教室」の代表。池江も生後2カ月頃から小学6年まで通った。握ることで脳の働きが活発化することから、自宅の天井にはうんていが完備