カシミール地方でテロ、40人死亡 印パ、非難の応酬

 【ニューデリー=森浩】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方の印支配地域ジャム・カシミール州で14日、治安部隊のバスを狙った自爆テロがあり、印PTI通信によると、少なくとも40人が死亡した。インドはパキスタンの関与を指摘し、パキスタン側はこれに強く反発。総選挙を控えたモディ政権は弱腰との批判を避けるため強硬姿勢を取ることが予想され、両国の緊張が高まる可能性がある。

 PTIなどによると、14日午後、治安部隊を乗せたバスの車列に爆弾を積んだ乗用車が突っ込んだ。同州で過去20年間に起きたテロ事件で最悪の犠牲者数だという。パキスタンを拠点にカシミール地方の分離・独立を求めるイスラム過激派組織「ジェイシモハメド」が犯行声明を出した。

 インドは15日に閣僚会議を開催し、代表としてコメントしたジャイトリー財務相は「パキスタンを完全に孤立させるためにあらゆる外交的施策を採る」と宣言。一方、パキスタン外務省は関与を否定し、「調査も行わずに事件とパキスタンを結びつけようとする姿勢は受け入れられない」とコメントした。

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