【ドラフト】 巨人が1位指名の方針を固めた中大・西舘勇陽はリリーフで大成!? スカウトが見た“東都BIG3”

中大・西舘勇陽
中大・西舘勇陽

 2023年のドラフト会議が26日に行われる。

 今回、スカウトの間で「1位指名が重複する」と言われていたのが、東都大学リーグの中大・西舘勇陽投手、青学大・常広羽也斗投手、国学院大・武内夏暉投手の3人だ。

 巨人が1位指名の方針を固めた西舘は、最速155キロを誇る右腕。185センチの長身から、走者がいなくてもクイックで投じる。カットボール、フォークの切れ味も抜群。秋季リーグ戦の防御率は1・11で、ランキング2位だった。特筆すべきは、許した安打の少なさ。57回投げて被安打は27で、1試合(9イニング)に換算すると、わずか「4・26本」という数字になる。

 「あのクイック投法は、プロの打者も手こずるのでは?」「プロに入ってクイックで悩む投手もいる。この時点で投げることが出来るのはプラス」―。独特の投球スタイルに対するスカウト陣の評価は、総じて高い。

 リーグ戦では、エースとして先発にリリーフにと大車輪の働きを見せている西舘。力で打者を圧倒するタイプとあって、プロでは「短いイニングで」とイメージするスカウトは少なくない。「1イニングをピシャリと抑える。今の時点でも、勝ちゲームの“方程式”に入る力はある」という声もあるほどだ。

 最速155キロ右腕の常広は、伸びのあるストレートとフォークで、狙って空振りが取れる点を評価されている。秋のリーグ戦の1試合平均の奪三振数は「9・91」で、西舘の「9・47」を上回る。

 あるスカウトは「『投手がギアを1段上げた』という表現があるが、常広投手の場合、そのギアが3段くらいある感じ」と話した。力を抜けるところは抜いて、勝負所でエンジンを吹かすというクレバーさも持ち合わせている。まだ体ができておらず、体力強化という課題はあるが、そのぶんプロでの大きな進化が見込める。

 武内の最大の武器は、コントロールだ。身長185センチのサウスポー。「大型左腕」イコール「制球難」というイメージがあるが、武内は150キロのストレートを難なく低めに集めることが出来る。

 空振りを狙える常広に対し、武内は見逃しで三振を奪う場面が目につく。あるスカウトは「身長が高くボールに角度があるうえに、切れもある。いいコースに決まれば、打者は反応できない」と分析する。

 制球が良く、試合を作ることが出来る貴重なサウスポーに「最も1位入札が集まるのでは」の声も聞く。1位指名の“公表合戦”となった昨年は、2球団の競合が最高だったが、今年は3球団以上による激しい争奪戦が見られるかもしれない。

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