「危ないお金だと思った」「断る選択肢なかった」…河井元法相から現金受領の市議13人が説明会

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 「(現金を)押しつけられた」「ポケットにねじ込まれた」。2019年の参院選を巡る大規模買収事件で、河井克行・元法相(58)から現金を受領した広島市議の説明会が29日、市議会で開かれ、13人は当時の状況を明らかにした。市には、不公正な金品の受領を追及する政治倫理条例がなく、議会では条例の制定に向けた議論が活発化する可能性がある。

 この日の説明会は、山田春男市議会議長が進行。13人は出席や書面での代読で説明した。市民ら約40人が会場の全員協議会室や、別室でモニター越しに傍聴し、一時、市議が傍聴者からヤジを飛ばされる場面もあった。

 現金を受け取った経緯について、豊島岩白市議は「非常に危ないお金だと思ったが、(河井被告の)顔をつぶすことはできず、断れなかった」と振り返り、「拒否すべきだった。事件を考えない日は、1日どころか1時間もない」と後悔をにじませた。

 50万円を受け取った海徳裕志市議も「参院選が近く、違法なお金と認識していた」と話し、「断るという選択肢はなかった。自分の身の振り方は、支援者の声を聞いて判断する」と述べた。

 一方、木山徳和市議は「陣中見舞金として置いていかれたが、違法性があるとは思わない」と説明。進退については「しっかり反省して、引き続き(市議として)務める」とした。

 傍聴した市民団体「河井疑惑をただす会」(広島市)の山根岩男事務局長は「議席にしがみつきたいのが見え見えで、市民感覚からかけ離れている。議員で居続ける理由はない」と憤った。

 説明会後、議会としての自浄作用を発揮するため、政治倫理条例の制定を求める声が上がった。

 公明党市議団の碓氷芳雄幹事長は「説明会を実現できたことはよかったが、全ての疑問が払拭ふっしょくできたわけではない。信頼回復のために、早期に政治倫理条例を定めるべきだ」と指摘。

 山田議長は「こういう事態に陥らないように、方向性を考えていかなければならない」と話していた。

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