Scott Sternberg's New Move

世界を制覇したい! スコット・スタンバーグの新展開「Entireworld」

バンド オブ アウトサイダーズを去って以来、しばらく動きを見せなかったスコット・スタンバーグが新ブランドをはじめた。『GQ JAPAN』が話を訊いた。 Words by Winsome Li (GQ)
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デザイナーのスコット・スタンバーグが新ブランド「Entireworld」を立ち上げた。4月2日に公式のオンラインショップで販売を開始した。

メンズとウィメンズのカジュアルウェアを主に展開するEntireworld。メンズのアイテムはボタンダウンシャツからセーター、Tシャツ、トラウザースまで、ベーシックなものが並ぶ。価格帯は15〜225ドル。ブランドの本社はロサンゼルスに構えるが、商品の生産は日本と中国でおこなう。それに、購入できるのは公式のオンラインショップ「theentireworld.com」のみ、日本への発送は可能。

ご存知の通り、スコットは2004年に「バンド オブ アウトサイダーズ」を創設し、10年以上をかけてアメリカを代表するコンテンポラリー・ブランドに成長させた。ブランドは2015年に休止し、同年の6月にスコットがデザイナーを退任。しばらく充電期間に入っていたが、2018年の4月に新ブランドEntireworldのCEO 兼 クリエイティブ・ディレクターとして、ファッション界に戻ってきた! 新たな出発を切った彼にインタビューした。

──新ブランドをスタートしたいと考えたのはいつからですか?

2014年から新しいブランドを立ち上げようと考えはじめたんです。単に"オンラインブランド"を作るではなく、どの世代や国の人でも着てみたい服づくりを目指しました。どこでも、いつでも、そして、リーズナブルな価格で服を提供するのがEntireworldの使命です。

──商品のコンセプトを教えてください。

日々の着こなしに使えるベーシックなアイテム、たとえば、Tシャツやスウェットシャツ、アンダーウェア、ソックスなどが商品のラインナップです。これらのシンプルなアイテムをアップグレードするために、素材の品質やシルエットにこだわりました。ブランドコンセプトは「ユートピア(理想郷)」で、誠実さ、純粋さと楽観主義の詰まった世界を服づくりを通じて実現したいのです。

──既存のファッションサイクル(1年2回のコレクション発表)に従わず、Entireworldの商品リリースは月1回となっています。それについてどう考えますか?

ファッションには決まったシステムなんかないと、ぼくは思います。ぼくらは顧客のニーズを少しずつ理解したうえで、ブランドの方向性を決めてきました。顧客がいつ、なにを買いたいのか、そこが重要です。こちらの都合で決まるのではない。ということで、月1回リリースするシステムにしました。

これまでの年2〜4回コレクションを発表するというやりかたは、ファッションショーに時間とお金をかけられるラグジュアリーブランドには適切かもしれないけれど、ぼくらのようなブランドの場合は違うアプローチをとった方がいいと思います。

──商品の生産地に日本を選んだ理由はなんでしょうか?

日本のプロダクションパートナーと提携しました。使う生地は日本のものが多いのですが、生産は日本と中国でおこなっています。日本の企業と仕事するのは好きです。彼らはぼくが求めるクオリティとディテールのこだわりを理解してくれます。なによりも日本人はとても優しくて、熱心で、一緒に仕事して楽しい。そこが魅力です。

──ブランドの5年後はどう展望していますか?

Entireworld(全世界という意味)は文字通り世界を制覇するぞ、という意気込みです!