将棋ソフト不正疑惑

第三者委会見一問一答 「指摘された疑惑にはソフトの不正使用を疑う証拠能力はない」

 --竜王戦決勝トーナメントで不正が疑われた根拠の1つだった「30分の離席」について「そういう事実はなかった」という調査結果だが

 但木委員長「まず、離席そのものは禁じられていません。また、頻繁に離席する棋士は三浦九段の他にもいます。さらに、たとえ離席が不自然だったとしても、それをもってスマホの不正使用の疑惑に直結するわけではありません」

 --この調査結果だと、三浦九段は、シロに近いグレーという印象だが

 但木委員長「個々の事実がまったくシロであるとする証明は『悪魔の証明』と言って、できないのです。指摘された疑惑を1つ1つ検討して、結局どれもこれもスマホの不正使用を疑わせる証拠としての信用力はないということです。われわれは、指摘された疑惑のすべてを検討しましたが、どれもスマホの不正使用を認めるに足りる証拠力は到底なかった。そういう結論なのです」

 --三浦九段から提出されたスマートフォンの解析についてもう少し具体的に

 但木委員長「スマホを使って将棋ソフトを不正に使う方法は3つあります。1つはスマホの中に直接アプリケーションを入れる方法。ただし、このアプリケーションを十分に生かすにはスマホは能力不足と言うことです。2番目はスマホでパソコンを遠隔操作する。3番目は第三者がパソコンで操作した結果を写真に撮らせて、それをスマホに送ってもらう。この3つについて、三浦九段のスマホもタブレット端末もパソコンも解析しましたが、いずれの方法についても使われた形跡はありませんでした。疑惑の対象となった4つの対局いずれでも、そういう操作の記録はなかったのです。委員会は、外部の専門業者に委託して解析してもらいました」

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