インド、北朝鮮への輸出禁止 食料と医薬品を除く
【ニューデリー=黒沼勇史】インド政府が北朝鮮に対する食料と医薬品を除く一切の品目の輸出を禁じたことが2日、明らかになった。核開発を続ける北朝鮮は設備関連の調達ルートの一つを絶たれることになる。
インド外務省が公表した4月21日付の決定通知によると、禁輸措置は即時実施した。食料や医薬品は除外するとするが、国連安全保障理事会(UNSC)と国際原子力機関(IAEA)の制裁品目すべてを「戦闘能力のある武器の開発に直接寄与するもの」として禁輸対象にした。個別品目としては、戦車や軽装備車両、金融取引、技術訓練、助言やメンテナンスなどに言及した。
今回の決定通知では、北朝鮮からの輸入禁止には言及していないが、輸出入双方を禁じたとの報道もある。
国連統計によると、インドは2016年に北朝鮮に対し、前年比51%減の5418万ドル(約60億円)を輸出した。詳細は不明だが、機械類が多くを占めているとみられる。同年の北朝鮮からの輸入は同12%減の8744万ドルだった。
インドは15年、北朝鮮による人権侵害を非難する国連採決を棄権し、同年には北朝鮮外相の公式訪印を受け入れた。UNSCが制裁決議をする中でも足並みをそろえず、これまで北朝鮮と国交を保ってきている。