八角理事長が変化した若元春と大栄翔に激怒「こういう大関を見たいと思いますか?」

大栄翔が阿武咲(右)をはたき込みえ破る(カメラ・馬場 秀則)
大栄翔が阿武咲(右)をはたき込みえ破る(カメラ・馬場 秀則)

◆大相撲 ▽名古屋場所千秋楽(22日・ドルフィンズアリーナ)

 大関取りの若元春と大栄翔の2関脇が、まさかの注文相撲に出た。白熱の取組を期待した館内からは、ため息が漏れた。まずは若元春と豊昇龍の関脇対決。若元春は立った瞬間に左に飛んだが、相手に反応されて体勢が崩れた。得意の左四つにはなったが上体が起き、小手投げで転がされた。

 若元春は昇進目安とされる「三役で直近3場所33勝」には、千秋楽を勝っても31勝止まり。大関候補の選択としても厳しい指摘をされかねないが「勝負の世界なので。強ければする必要がないが、自分は地力がない。大関はあまり考えていない」と持論を並べた。続く大栄翔も観客を落胆させた。立ってすぐに左に変化し、阿武咲をはたき込んだ。取組後の取材には応じなかった。

 2関脇の注文相撲に、八角理事長(元横綱・北勝海)は激怒。「大関としてやっていけるかどうかの見極めで、こういう大関を見たいと思いますか? お客さんが納得できると思いますか?」と語気を強めた。さらに昇進を預かる審判部への気遣いからか「私が踏み込んではだめだと思うが」と前置きした上で、3場所合計の白星を重視する風潮にも苦言。「33勝したからといって上げて良いのかなと思いますよ。終盤に来ての印象が悪すぎる。内容ですよ、内容」とおかんむりだった。

 佐渡ケ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)は「成績的に厳しくなってきているのは間違いない」と話した。

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