大津地裁、高浜原発運転差し止め仮処分 司法判断で初の停止へ 

[東京 9日 ロイター] - 滋賀県の住民が関西電力<9503.T>高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを求めていた仮処分申請について、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、住民側の請求を認め、関電に運転停止を命じた。
高浜3号は今年1月末に再稼働したばかりだが、仮処分決定は直ちに効力が生じるため、関電は原子炉を停止しなければならない。稼働中の原発が司法判断により運転停止に追い込まれるのは、日本で初めてのことだ。
決定文で同地裁は、原発の耐震安全性を確保するため前提として関電が設定した基準地震動の数値について「十分に説明されていない」と指摘した。
また、東京電力<9501.T>福島第1原発事故を契機にその重要性が浮き彫りになった津波対策や避難計画についても「疑問が残る」と断定。安全性が確保されているかどうかについて、関電が主張や説明を尽くしていないとして、住民側の請求を認めた。
関西電力は高浜3号について「運転を停止する」(広報担当者)とする一方で、大津地裁の仮処分命令の取り消しを求める不服申し立ての手続きを行うとしている。

浜田健太郎

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