三菱電機、パワー半導体検査不備 14年から4年以上
三菱電機は10日、パワー半導体の一部の製品の出荷検査に不備があったと発表した。対象はパワー半導体の2種類の製品で2014年11月上旬から19年6月下旬の約4年8カ月にわたり、合計4705台出荷していた。14年5月に顧客と新しい検査規格を取り決めたが、その後も旧規格の検査を実施していた。19年6月に社内の品質管理の見直しの中で判明した。
三菱電機は「お客さまや関係者に多大なる心配と迷惑をおかけした。判明から公表まで約8カ月を要し、深くおわびする」とコメントした。
検査の不備が判明したのは、同社のパワーデバイス製作所(福岡市)が製造した製品。出荷検査の一部で、絶縁性能を調べる「絶縁耐圧試験」で古い規格の検査を実施していた。「新しい検査規格の値より高い電圧をかけても製品に問題がないよう設計しているため、安全性に問題はないと考えている」という。
同社のパワー半導体は鉄道や自動車、家電などの用途で使われているが「顧客や用途に関しての公表は控える」(同社)。対象の顧客1社には2月上旬に報告した。現在、納入先の顧客企業が該当するパワー半導体が組み込まれた製品への影響を調査しているという。
三菱電機は10日、13日に予定していた「研究開発成果披露会」を延期すると発表した。相次ぐ労務問題やサイバー攻撃による不正アクセス、また今回の品質問題を受けて対策を優先する。
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