米モルガン・スタンレー、ネット証券Eトレード買収へ
【ニューヨーク=後藤達也】米銀大手モルガン・スタンレーは20日、米ネット証券大手のEトレード・フィナンシャルを買収すると発表した。買収額は約130億ドル(約1兆4000億円)で、米銀大手の買収としては2008年の金融危機以降で最大規模だ。ネット取引が基盤のEトレードを取り込み、フィンテックを活用して個人向け金融を拡充する。
買収は株式交換の方式で実施する。20日午前の米株式市場でEトレード株は一時、20%超上げた。一方、モルガン株は約4%安になる場面があった。
モルガンは伝統的な投資銀行だが、金融危機後は富裕層ビジネスに注力してきた。Eトレードは90年代から普及したネット証券の草分けで、520万人強の顧客と3600億ドル強の預かり資産を持つ。同社が強みとするネットの仲介事業をテコに、モルガンは低コストの個人向け金融を強化して収益源を多様化する。
米国では19年10月から株式売買手数料の無料化が広がり、ネット証券の競争が激化していた。19年11月には大手の米チャールズ・シュワブが同TDアメリトレード・ホールディングを買収すると発表。業界再編の動きが活発化している。
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