陸自オスプレイ、暫定配備 木更津駐屯地に1機目到着
陸上自衛隊が初めて導入する輸送機オスプレイ1機が10日、米軍岩国基地(山口県岩国市)から陸自木更津駐屯地(千葉県木更津市)に到着し、暫定配備された。飛行訓練開始は8月以降になる見通し。防衛省は最終的に佐賀空港(佐賀市)への移駐を目指しており、木更津への配備は「5年以内を目標」としている。
陸自のオスプレイは南西諸島の防衛強化を目的に17機導入され、陸自相浦駐屯地(長崎県佐世保市)を拠点とする離島防衛の専門部隊「水陸機動団」の搬送などを担う計画。そのため近接する佐賀空港に配備する方針だが、地元漁協との調整が難航しており、木更津駐屯地に暫定配備されることになった。
10日午後2時すぎ、岩国基地に駐機していた2機のうち1機が離陸。約2時間後に木更津駐屯地に着陸した。
陸自は1カ月ほどかけて機体の点検やエンジンの動作確認を進める。事故やトラブルを心配する住民に配慮し、当面は飛行範囲を駐屯地内に限定し、その後段階的に広げる。2機目の配備日程は調整中という。
駐屯地で着陸の様子を視察した渡辺芳邦・木更津市長は報道陣の取材に「(防衛省から)細かな運用や負担軽減策はまだ提示されていない。防衛省や駐屯地と連携し、市民の不安の軽減に努力したい」と話した。機体を運用する「輸送航空隊」の不破悟隊長は「安全、確実に飛行できるよう万全を期したい」とのコメントを出した。
駐屯地近くの公園では、配備に反対する市民ら約150人が集まり、「オスプレイ来るな」などと訴えた。1機目は当初6日に到着する予定だったが、悪天候のため2度延期された。
〔共同〕