〝泉房穂旋風〟明石市議選も 支援候補圧勝、暴言浴びた議長は得票減

当選から一夜明け、記者会見を行った丸谷聡子氏(右)と泉房穂氏=明石市
当選から一夜明け、記者会見を行った丸谷聡子氏(右)と泉房穂氏=明石市

23日に投開票された兵庫県明石市長選は、自身の暴言の責任を取って政治家引退を表明した現職の泉房穂氏が後継指名した元市議の丸谷聡子氏(59)が、自民、公明推薦の元市議らにダブルスコア以上の票差で圧勝した。同時に行われた市議選(定数30)でも、泉氏が支援した新人候補らが圧倒的な得票数で次々と当選。功罪両面で注目を集めてきた泉氏の人気の高さを示した。

一方、泉氏から昨年10月、「次の選挙で落としてやる」と暴言を浴びせられた自民市議で、市議会議長を務める榎本和夫氏(66)も4選を果たした。

ただ、得票数は前回の3190票から2649票に減った。榎本氏は取材に「あの暴言から、少なくとも『泉氏と対立している議員』という印象になり、その影響が出たと感じている」と分析。「泉氏の街頭演説に市民が集まっているのをみて、危機感を持った。当選できてよかった」と述べた。

新市長となる丸谷氏については、「はなから対立するつもりはない」と是々非々で対応する考えを示した。

市議選では、泉氏が擁立した新人5人が全員当選。トップ当選はこのうち1人の女性候補で、2千票が当選ラインとなる中、1万2千票余りを獲得する圧勝ぶりだった。

泉氏は24日、報道陣の取材に、自身の市政運営を踏まえ、「市民と一緒にやってきた12年間が今回の結果だ」と強調。「市民自身が政治をつくっているというのは、全国的にも明石が誇れる形だと思う」と述べた。

市長任期は今月いっぱい。泉氏は市長退任をもって政治家を引退するとともに、今回の市長選、市議選に向けて設立した政治団体「明石市民の会」を解散する方針だ。自身の今後について泉氏は「白紙状態で、あらゆる選択肢はあると思う」としつつ、「本音でいえばかなり疲れた。もう少し12年の振り返りもしたい」などと話した。

会員限定記事会員サービス詳細