台湾植民地戦争における憲兵の生活環境 : 明治28~36年(1895-1903)高柳彌平『陣中日誌』より

書誌事項

タイトル別名
  • タイワン ショクミンチ センソウ ニ オケル ケンペイ ノ セイカツ カンキョウ メイジ 28 36ネン 1895 1903 タカヤナギ ヤヘイ ジンチュウ ニッシ ヨリ
  • Living conditions of a military policeman during the colonial war in Taiwan

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抄録

台湾植民地征服戦争に1895年から1903年まで参加した憲兵の日誌を紹介する。内容は主に,台湾での自分の任務についてであり、なかでも抗日車との戦闘の様子をくわしく記している。著者の高柳彌平は,憲兵上等兵として台湾に出征し,軍需品輸送警備,抗日車との交戦のほか,現地で台湾語を学んで通訳となり,台湾人の密偵を使って情報収集などをした。勤務地は主に台南であった。現地の環境を考慮せずに持ち込んだ日本車の衣食住の様式は,兵士を苦労させただけでなく,徴用や略奪といった形で現地の住民に被害を及ぼすことになった。著者の台湾人住民に対する行動は,「良民撫育」と「土匪討伐」に二極化しているが,いずれにせよ,相手の人格の無視ないし軽視である。この二つの任務に明け暮れた著者の生活は,その後長く日本に根付く,台湾の人々に対する蔑視を形作る要素となったと考えられる。

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