佐藤誠市氏によるナムコ80年代ゲーム作品についての証言
- Kenzoo6601
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まあ、開発の途中で前後だけでなく4方向に発射するバージョンも作ったので多砲塔という意識はあったのですが。それにこのアイドル先輩は『ボスコニアン』の企画にほとんど絡んでいないのです。新人の私とY上司、同期企画君とアイドル先輩がチームを作ってそれぞれ2機種の企画をやってました。
2011-08-29 10:59:52実働部隊4人の小さな部署ですから企画会議でそれぞれの企画の話をしますが、それほど深く突っ込んで『ボスコニアン』の企画について考えていたとは思いません。でもこの助け船のおかげでその後の話し合いがスムーズにいきました。嘘も方便といいますが、あそこで私が正直に考えていないと言ったら。
2011-08-29 11:04:00とにかくこの話し合いの結果、Mr.ドットマンからあのすばらしい敵基地のデザインをプレゼントされました。宇宙ステーションといえば銀色のイメージがある中、緑色を使うとは期待以上のものでした。レトロな感じのいかにもスペースオペラの世界観が出ていたと思います。
2011-08-29 11:09:34NHKの『ふたり『コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜』を見ていて監督の重要な資質について述べていた。プロデューサーの鈴木氏が駿さんに五朗さんは『ゲド戦記』のころと全然変わったとほめていた。それは部下の方に質問されたときに明確に答えているからだという。
2011-08-29 11:16:49監督は当然映画の中のことは登場人物の性格など当然として知っていなくてはならない。ただ、すべてのことに答えを用意しておくのは不可能といえるだろう。その時に考えてないと言ってしまうとスタッフは動揺してしまうし監督に不信感さえ覚えてしまう。何らかの答えをひねり出すのは重要な資質だろう。
2011-08-29 11:20:55私も一応理系の人間なので理詰めで話を進めようとするので、はったりをかましたりすることは苦手である。だが監督とかプロデューサーの仕事をする人には大切な資質であろう。企画マンにも勿論重要だが、はったりのみでは、いずれ人からの信用を失ってしまうのも真実である。
2011-08-29 11:29:26「ゼビウス」の隠れキャラが周囲に理解されなかったというのは本当か?
『ゼビウス』の話をする前にちょっと話題になっている『スプライト』という呼び名の話をします。ご指摘のようにナムコではスプライトのことをオブジェクトと呼んでいました。というよりもその当時はスプライトという呼び名が無かったのです。その後スプライトという名称が普及しましたので使っています
2011-08-30 10:10:10入社当時なぜオブジェクトという名称を使っていたか不明でした。基板でも略号はOBJが使われていました。ちなみにバックグランド画面はキャラクタ画面と呼ばれCHRとされていました。このバックグラウンドというのもファミコンのBG画面からそう呼ぶようになったと思います。
2011-08-30 10:13:04特許の仕事をするようになり始めてなぜオブジェクトと呼ぶのか判明しました。当時のナムコの技術はアタリの技術を受け継いだモノです。『タンクバタリアン』がアタリの『スーパーブレイクアウト』の基板応用という事実からもわかります。ただ何らかの改造は行っていたようですが詳しくは知りません。
2011-08-30 10:17:19ということでアタリでの呼び名がそのまま使われていたのです。アタリの特許を読むとスプライトの部分を『ムービング・オブジェクト』という記載がなされていました。そのオブジェクトという部分を使っていたわけです。なお日本語での訳語は『移動標体』でした。特許明細とかでは見られると思います。
2011-08-30 10:21:31長い間スプライトという意味でオブジェクトという言葉を使っていましたが、紛らわしいと言うことで世に広まり始めたスプライトという言葉を使うようになりました。特許問題でアメリカで弁護士に説明するときも、そのオブジェクトという言葉はオブジェクト指向からきているのかなどと質問されましたし。
2011-08-30 10:24:18さて多根清史著『教養としてのゲーム史』『ゼビウス』の項。隠れキャラクタが上司・同僚の理解が得られず黙って製品に組み込んだという話が載っています。昔からこの話が出ているのですが本当にあったのか疑問に思っていました。まあ確かに何もないところを敵が出てくるというのはプレイヤーに不親切。
2011-08-30 10:30:15そのような話は企画の上司からありましたが、照準が光ると言うことで納得していましたし何しろ面白い仕様なので文句は出なかった気がします。とするとプログラマの部署でそういうことがあったのかなと漠然と思っていました。
2011-08-30 10:35:08ある日同僚が外部でナムコの古いゲームについて講義を行うということで原稿のチェックを頼まれた。そこにも同じようなことが書かれていたので気になりそのプログラマの上司に確認してもらうことを提案した。その方は当時定年退職していたのだが、同僚の人が山仲間で連絡先を知っていた。
2011-08-30 10:38:33そこで聞いた話が、隠れキャラは良いのだが製品チェックで仕様書に書かれていないからバグとせざるを得ないので出荷できないというクレームが製造部門から来ていた。つまり仕様書に書かれていない現象が起きていると検品ではねられるという事実を伝えただけのようだ。
2011-08-30 10:43:50この話を暴露すべきかどうか迷ったのですが神話は神話として残るから良いかなと思って書きました。新人が古い考えを持った古参に戦いを挑んで勝利を勝ち取ったというストーリーはすばらしく、数多くの『ゼビウス』伝説に花を添えることができたでしょうし。
2011-08-30 10:49:10※この「神話」の出どころのひとつとして、かつて2ちゃんねるのレトロゲーム板「XEVIOUSを懐かしむ」に遠藤氏が自ら書き込んだ内容があると思われます なおこれはソルではなくスペシャルフラッグについてのみの話になっている点に注意が必要です 以下引用:
441 名前:EvezooEND :2001/03/16(金) 01:06 ID:???
>>311
> スペシャルフラッグをエクステンド用の隠しキャラに使ったのは、ど
> うして?
ニューラリーXでラッキーが出てからスペシャルが軽視されたので、
使ってみようと思ったのがキャラを使った理由。
さらに当時、ピンボールにはまってて、エクストラのフィーチャーを
是非とも入れたかったんだけど、不用意にゲーム時間が伸びて売り上げ
が下がるので、隠れキャラになった。その時、照準を光らなくして、違
和感あるキャラなら、「バグですね」と言い逃れられると踏んだから、
それこそ確信犯です。
ネーミングについてその1 「ギャラクシアン」「ギャラガ」「ボスコニアン」
今日は腰の調子が悪いので、ネーミングについて簡単に。『ギャラクシアン』は敵の名前ではなく味方の名前であることは今ではよく知られています。私も入社してしばらくは敵の名前だと思っていました。それで敵のボスの名前を『ギャルボス』などと呼んでいました。
2011-08-31 10:16:32事実を知ってからは「『ギャラクシアン』に出てくる敵のボス」なので『ギャルボス』で良いのだなどと言い訳をしました。さてその『ギャラクシアン』という名前ですが、「galaxy」+「an」で『銀河の』とか『銀河の人』という意味での造語です。
2011-08-31 10:21:47『ボスコニアン』と同じようにレンズマンを意識したネーミングだったと思います。本当は『銀河パトロール隊』とでも付けたかったのかもしれません。『ボスコニアン』は勿論レンズマンの敵側の名称からとっています。「ボスコーンを代表してヘルマスが」などという言葉がかっこよかったのです。
2011-08-31 10:25:34ただ英語表記をするときは悩みました。インターネットなどという便利なモノはなかったので、とりあえずこうだろうということで付けてしまいました。どうやら「ボスコーン」は「Boskone」と表記されるようだ。英語圏の人はどのような印象を持ったのだろうか知りたいものだ。
2011-08-31 10:44:25ところでゲームで弱い敵を『ザコ敵』というがいつからそう呼ぶようになったのだろうか。密かに私が言い出したのが広まったのではと思っている。全く根拠はないのですが。入社してボス以外の敵を『ザコ』と呼び出したのは自分であるというのは自信がある。ただそれが外に広まる過程が不明である。
2011-08-31 10:47:54同時多発的にみんなが言い出したのだろうか?でも、『雑魚』を語源として時代劇とかで相手をののしる時に使われていたような言葉をみんなが使うかというと疑問でもある。とりあえず都市伝説の一つとしてこんな話をつぶやいてみました。真実も知りたいので事情の分かる人は教えてください。
2011-08-31 10:54:06