大相撲の第72代横綱稀勢の里(32)=本名萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が大相撲初場所4日目の16日、東京・両国国技館で引退会見を行った。
NHKでテレビ解説を務めた北の富士勝昭氏(76)=元横綱=は、会見で「私の土俵人生において、一片の悔いもございません」と涙ながらに話した稀勢の里について、「思い残すことはあるだろうけど、そう思っているのならよかった。肩の荷が下りたと思う。きょうからあしたにかけて寂しさが出てくると思う」とねぎらった。
自身の引退時は「発表した日はどうということはなかったが、翌日に引退が大きく報道されて、初めてやめたんだと思い、その日は眠れなかった」と振り返った。
稀勢の里は昨年11月の九州場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、横綱審議委員会から初の「激励」を決議された。進退が懸かった今場所も初日から3連敗と不振で、昨年9月の秋場所千秋楽から不戦敗を除いて8連敗。1場所15日制が定着した昭和24年夏場所以降では貴乃花を抜いて横綱の単独ワースト記録となった。横綱在位12場所は昭和以降10番目の短さだった。