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迫る

「迫る」は人物の内面を探ったり、出来事の背景を掘り下げたりする大型読み物です。

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娘失った風見しんごさん(その1) 「笑顔」支える一つの希望

下校する児童と横断歩道を渡る風見しんごさん(手前右)。「交通事故の犠牲者をなくしたい」との思いで、講演活動を続ける=東京都町田市で2日午後、小出洋平撮影
下校する児童と横断歩道を渡る風見しんごさん(手前右)。「交通事故の犠牲者をなくしたい」との思いで、講演活動を続ける=東京都町田市で2日午後、小出洋平撮影

 神様がいるならば、最愛の娘を亡くしたばかりの僕にどういう人生を歩めと言っているのだろう。何度も、何度も心の中で問い掛けずにはいられなかった。

 俳優やタレントとして活躍している風見しんごさん(59)と、妻の尚子(なおこ)さん(54)は2007年1月17日、東京都内の自宅近くで、小学5年の長女、えみるさん(当時10歳)を交通事故で亡くした。登校時、青信号で横断歩道を歩いていたところをトラックにはねられたのだった。「あの日以来、息をするのもつらい日々が続きました」

 一周忌から数カ月たった08年のある日、尚子さんが新しい命を授かったことが分かった。男の子。「えみるの生まれ変わりかは分からないけれども、次女のふみねはとても喜んで。それはそうですよ。いつも一緒だったお姉ちゃんが突然いなくなってしまったのですから」。風見さんは「救いの天使」がやって来た日をそう振り返る。

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