「昭和の名人」古今亭志ん生没後50年追善興行…新宿末広亭9月中席に人間国宝・雲助ら一門が勢ぞろい

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 昭和を代表する落語家の五代目古今亭志ん生が亡くなって今年で50年となることから、一門の落語家による「古今亭志ん生没後50年追善興行」が、東京・新宿末広亭の9月中席(11~20日)で、命日の9月21日に合わせて行われる。

5代目古今亭志ん生
5代目古今亭志ん生

 1973年(昭和48年)に83歳でこの世を去った志ん生は、破天荒な人生そのものが落語と言われ、多くの持ちネタを自由自在に操った天衣無縫の高座で平成、令和の世になっても音源のCDや書籍が売れ続けるレジェンドだ。

 追善興行は、10日間を前半(11~15日)と後半(16~20日)に分け、それぞれ昼夜に特別興行を行う。志ん生の流れをくむ古今亭・金原亭一門の落語家と色物芸人50人以上が出演し、各興行の主任(トリ)は五街道雲助(前半昼の部)、古今亭志ん彌(同夜の部)、古今亭志ん輔(後半昼の部)、金原亭馬生(同夜の部)が務める。

 今年は志ん生の没後50年、志ん生の次男、古今亭志ん朝の23回忌、志ん生の直弟子の先代古今亭円菊の13回忌が重なり、さらに志ん生の長男の先代金原亭馬生も、昨年が没後40年だったことから、一門にとっては大きな節目の年であり、機運が盛り上がった。

記者会見で追善興行への思いを語った(右から)馬生、志ん弥、雲助。左端は末広亭の真山由光席亭
記者会見で追善興行への思いを語った(右から)馬生、志ん弥、雲助。左端は末広亭の真山由光席亭

 7日に末広亭で記者会見があり、先代馬生門下で落語界では4人目の人間国宝に認定された五街道雲助は「4人が亡くなってこれだけの年月がたったわけで、感慨深いものがある。師匠たちの生の高座を知る人や芸に触れた人はだいぶ減っているが、そのままなくなっていってしまうのは惜しい。我々がそっくり再現するのも無理だが、芸風や味を少しでも受け継いで出せたらと思う」と話した。

 追善興行の発起人で、先代円菊門下の古今亭菊之丞は、「本来は50回忌をやらなければいけなかったが、コロナ禍で身動きがとれなかった。でも、法事が重なっている今年に大先輩の追善が営めるということで、良かったと思う。みんな志ん生師匠の芸にはとてもかなわないが、一門として同じスピリットを持っている。出られる人は全員出そうということで計画した」と話している。会場でしか購入できない志ん生の復刻版手ぬぐいも販売される予定だ。(編集委員 千葉直樹)

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