京大、iPSで「先進医療」検討 パーキンソン病治療
難病パーキンソン病のiPS細胞を使った治療について、京都大学の高橋淳教授が保険診療と併用する「先進医療」として2018年度に始める方向で検討していることが15日、わかった。患者の細胞からiPS細胞にし、移植用の神経細胞を作る場合が対象。国に承認されれば、保険診療で多くの患者が治療を受けやすくなると期待される。
パーキンソン病は脳の神経伝達物質であるドーパミンを出す神経細胞が減ることで発症する。手足の震えや歩行障害などの症状が出る。国内に10万人以上の患者がいるとされる。神経細胞の減少を食い止める根本的な治療法はない。
減少した神経細胞を補う方法としてiPS細胞の応用が期待されている。高橋教授らは人間のiPS細胞から神経細胞を作り、パーキンソン病のサルやマウスの脳に移植する実験で効果を確かめている。
高橋教授らは京大病院と連携し、15年度にiPS細胞から作った神経細胞を患者の脳に移植する臨床研究を始める計画で、来年初めに研究の実施を申請する。安全性や効果を確かめたうえで、17年度中に先進医療の適用を厚生労働相に申請することを目指す。