高校卒業と同時に佐賀から上京した中越典子さん。『ViVi』のモデルや『王様のブランチ』出演など活躍した裏で、両親と交わしたある約束があったと言います(全4回中の2回)。

『ViVi』のモデルとして活躍しながら

── 佐賀の高校を卒業後に上京。東京のデザインの専門学校に2年間通われましたが、まず、東京に来てどう思いましたか?

 

中越さん:最高でした!ファッションも文化もカッコよくて、原宿を歩くだけでも楽しかったです。専門学校の友達は耳や口にピアスを開けているなど、自由で個性的な人も多かったですし、スケートボードを教えてくれる友達に出会うとか、見るもの聞くものがすべて刺激的で一気に世界が広がりました。

 

── 専門学校2年生のときに現在の事務所に入ったそうですね。

 

中越さん:アートやファッションの仕事と同時にモデルとか芸能界の仕事にも漠然とした憧れがありました。自分で事務所を探していたときに、たまたま今の事務所が「個性を活かそう!」みたいな文言が書いてあるのを発見して。ピン!ときてすぐに応募しました。今考えれば見た目もちょっと派手な格好をしていたし、特に背も高いわけでもない。よく入れてくれたなと思いますが、挨拶だけは気合を入れたんです。事務所のオーデイションで「おはようございます!!」と人が振り返るくらい大きな声で部屋に入っていったので、それがよかったのかどうか。

 

── 事務所に入って初めてのお仕事が雑誌『ViVi』のモデルでした。

 

中越さん:嬉しかったですね。綺麗な洋服を着てカメラマンさんに写真を撮っていただいてとても刺激的な時間でした。また、当時から『ViVi』って佐田真由美さん、岩堀せりさんのおふたりが活躍していてカッコよかったんですよ。出るところが出て引っ込むところが引っ込む。とにかくスタイルが抜群で横で見ていて惚れ惚れしました。一方、私はモデルの仕事をしつつも自分の体型には自信がない。足も短いし胸もない(笑)。身幅も狭いから現場ではサンプルを着て撮影しますが、私はいつも安全ピンで後ろを止めてもらっていたんです。モデルのお仕事は充実していましたが、自分は違うところで勝負してみたくなって1年くらいで『ViVi』を卒業しました。

 

ブルーとイエローのピアスが素敵

── その後はどんなお仕事をされていきましたか?

 

中越さん:コマーシャルやテレビ番組のオーディションを受けながら、その中で受かったのが『王様のブランチ』でした。『王様のブランチ』のオーディションではお弁当を食べて感想を言ってみるとか、面接でもいくつか質問をされたんですが、ひとつ微妙な返答をしてしまったんです。

 

審査員の方が「あるタレントさんに似ているね」と言ってくださってとても嬉しかったし素敵な方だったんです。でも当時私もちょっと生意気な部分もあって「同じ業界に同じ人は2人もいらないですよね」と言ってしまったんですよ。可愛くないですよね。それでもおもしろいと思ってもらえたのか、1人くらいこんな感じの人がいてもいいと思っていただけたのかわかりませんが、結果は合格。無事にリポーターとして出演が決まりました。『王様のブランチ』に出てから顔と名前を覚えていただく機会が増えていったような気がしますし、今でも「あの時見てました」と言っていただくこともあってありがたいですね。