シリア情勢

シリア軍、ISから国内最後の拠点奪還 イラク国境近くの町アブカマル

 【カイロ=佐藤貴生】シリアのアサド政権軍などは8日、同国のイラク国境近くの町アブカマルをイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)から奪還した。ロイター通信などが伝えた。アブカマルはシリア国内でISが依然抵抗を続けていた最後の拠点都市で、シリア・イラク国境のISの支配地域は周辺の村などごく一部となった。

 政権軍とともにISを排除したのは、レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラなど。ヒズボラ系のテレビ局は8日、町を包囲したと伝えていた。

 イラク側では3日、同国軍とシーア派民兵部隊がシリアとの国境の町カイムを奪還。ISは一時、両国にまたがる広大な地域を支配していたが、7月にはイラクで北部モスルが、10月にはシリアで北部ラッカが陥落。ISはじりじりと両国の国境沿いへと追いやられ、最後の砦に対する攻撃が双方で強まっていた。

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