都知事選告示はしたけれど…各党支援及び腰 候補者は独自色アピール

主要な5候補の政策比較
主要な5候補の政策比較

 東京都知事選が18日告示され、主要な5人をはじめとする立候補者が論戦に入った。各候補者とも新型コロナウイルスの対策に重点を置きつつ、持論の都政課題で独自色を打ち出し、有権者にアピールを図った。一方、各党は従来、都知事選に国政選並みの態勢で臨んでいたが、現職の小池百合子氏(67)を実質支援する自民・公明の動きは鈍く、候補者が割れた野党も次期衆院選をにらんだ動きにシフトしている。

オリンピック、カジノ…主張に差

 告示日にあった主要5候補の「第一声」などを分析すると、4人が新型コロナウイルス対策に最も多くの時間を割き、都の対応策についても言及した。東京オリンピック・パラリンピック開催の是非や「カジノ誘致」など候補者間で主張の差が明確な政策も目立つ。

 「れいわ新選組」代表の山本太郎氏(45)は第一声の時間の約7割を新型コロナ対策に費やした。「なぜ、国に災害指定を求めなかったのか」と持論を展開しながら、小池都政の対応を批判。「コロナによってあなたが受けた損害を都が補塡(ほてん)する」と強調し、全都民への10万円支給や大学・高校・専門学校生らへの1年間の学費免除などの対策を講じるとの公約を披露した。財源は都債の発行で15兆円を確保するとしている。

 第一声は行わず、都庁で取材に応じた現職の小池氏も、主張内容のうち新型コロナが4割弱の時間を占めた。主要公約の目玉は「第2波」に備えた米疾病対策センター(CDC)東京版の創設だ。待機児童問題解消に取り組んでいることもアピールし「女性が悩む日本って何なのか」と語った。カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致については「メリット、デメリットを判断する」と明確にしていない。

 元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)も「選挙で重視するのは、第一にコロナ感染症」と強調し、自粛や休業に対する補償の徹底などに第一声の3割強の時間を割いた。重点施策に都立・公社病院の独立行政法人化の中止、都が検討するIRの誘致反対を掲げるなど小池都政への対決色を鮮明にしている。東京五輪についても専門家が「開催は難しい」と判断すれば中止を働きかけるとしている。

 元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)は推薦を受けた日本維新の会と「経済活動を重要視したコロナ対応戦略」など5項目の政策協定を結んだ。第一声でも「感染者の抑え込みが一番うまくいっていないのが東京」と指摘。IRについては「成長戦略の起爆剤」と積極的な誘致を目指している。ただ、第一声では選挙や政治のあり方に最も時間を使い「キャッチフレーズだけの選挙は終わりにしなければいけません」と訴えた。

 NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は新型コロナの感染拡大に伴う「行き過ぎた自粛」が経済活動に影響を及ぼしたと訴える。第一声も半分近くが新型コロナで、飲食・イベント業者らの困窮を招いたと批判した。小池氏が4年前の都知事選で「満員電車ゼロ」の公約を掲げながら達成できなかったと批判し「混雑しない電車をつくるのがコロナ対策の一丁目一番地だ」とも強調。従来通りNHK批判も展開した。【内田幸一、長屋美乃里、猪森万里夏】

自民都連「しらけている」 野党も「乱立、次点争い」

 自民党が18日、国会内で開いた鹿児島県知事選(25日告示、7月12日投開票)に向けた打ち合わせ会議。下村博文選対委員長は同県関係の参院議員ら約60人に「小池百合子氏は元々、自民党所属でもあった。自主的に応援すると決まっているので、ぜひご理解をいただければ」と、わざわざ都知事選での小池氏支援を呼びかけた。

 自民は12日、小池氏が政党の推薦・支持を受けない意向を示したため、自主投票を決めた。二階俊博幹事長は「全力を挙げ小池知…

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