サッカー=ブラッターとプラティニ両氏、汚職疑惑の裁判で無罪

サッカー=ブラッターとプラティニ両氏、汚職疑惑の裁判で無罪
 金銭の不正授受などを巡るFIFA元会長のゼップ・ブラッター氏(写真中央)と副会長だったミシェル・プラティニ氏の公判が8日にスイスのベリンツォナで行われ、両氏に無罪判決が言い渡された(2022年 ロイター/Arnd Wiegmann)
[ベリンツォナ(スイス) 8日 ロイター] - 金銭の不正授受などを巡る国際サッカー連盟(FIFA)元会長のゼップ・ブラッター氏と副会長だったミシェル・プラティニ氏の公判が8日にスイスのベリンツォナで行われ、両氏に無罪判決が言い渡された。
ブラッター氏とプラティニ氏は、2011年に200万スイスフラン(約2億7900万円)の授受を不正に行ったとしてスイス当局から起訴された。
ブラッター氏は先月に開かれた公判で、1998年にFIFA会長に初選出された際、プラティニ氏に顧問役を依頼すると年俸100万スイスフランを要求されたが、その額を支払う余裕はなかったため年俸は30万スイスフランとし、未払い分は後日支払うことで合意したと証言。この取り決めは「紳士協定」だったと主張していた。
一方のプラティニ氏は「会長を信頼していたし、いつか支払ってもらえると思っていた」と証言し、2011年1月に200万スイスフランの請求書をFIFAに送り、その10日後にブラッター氏の承認を得て受け取ったと話していた。
裁判官は、この「紳士協定」に関する両氏の説明を信用できるものとし、それが不正な支払いであるという検察側の主張には重大な疑問が存在すると述べた。
ブラッター氏は記者団に対し、「もちろん完璧な人間などいないが、44年間FIFAで働いてきた私の仕事にとって、この事件がスイスの最高レベルで解決されたことはとても重要だ」とコメント。プラティニ氏は、疑惑によって世界サッカーのレジェンドから「悪魔」になってしまったとし、「7年間の嘘と工作の末にようやく正義がなされたことを、私の愛するすべての人々のために喜びを表したい」と語った。

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