女子プロレス「スターダム」29日の東京・両国国技館大会で行われたワンダー王座戦は、上谷沙弥(25)が王者の中野たむを破り、第16代王者に輝いた。

 天才が底力を発揮した。王者の厳しい猛攻にさらされながらも、エプロンでカウンターのフランケンシュタイナーを発射。場外に叩きつけ、上谷は不敵な笑みを浮かべた。

 さらにトップロープからのリバースフランケンを決めると、中野の蹴りもカウント1で返す。最後は鮮やかなフェニックススプラッシュを決めて師匠から3カウントを奪い、悲願の初シングル王座を手にした。

 試合後、上谷の腰にベルトを巻いた中野から「白いベルト、よく似合ってるよ。たむの次にね。私はしぶとい女だから覚悟しておけよ」とねぎらわれた。

 上谷は「生まれ変わったこのベルトの名は『全力のベルト』。アイドルの時は努力しても報われなかった。努力することが怖くなっていた。でもプロレスは努力をすれば必ず報われる。目の前のプロレスに全力で頑張っていきたい。私がプロレスに救われたように、今度は元気や希望、たくさんの感情を与えていきたい。私がチャンピオンとしてスターダムを引っ張っていきます」と誓った。新王者に注目だ。