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早大ラグビー部に新戦力! 桐蔭学園を優勝に導いた伊藤大祐 夢は松島先輩と“桜ジャージ”で世界に挑戦

2020年8月20日 19時35分

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BKはどのポジションもできる万能ぶりが伊藤の強みだ。果たして早大でのポジションは?=5日、早大グラウンドで

BKはどのポジションもできる万能ぶりが伊藤の強みだ。果たして早大でのポジションは?=5日、早大グラウンドで

  • BKはどのポジションもできる万能ぶりが伊藤の強みだ。果たして早大でのポジションは?=5日、早大グラウンドで
  • 日焼けした肌、精悍(せいかん)な表情で、大学デビューへの準備ぶりを話した早大の伊藤
 昨季、11大会ぶりにラグビー大学王座に返り咲いた早大に、頼もしい新戦力がやってきた。今年1月の全国高校大会(花園)決勝で御所実(奈良)を下し、桐蔭学園(神奈川)を9大会ぶり2度目、初の単独優勝に主将として導いたSO伊藤大祐(1年)。昨季の復活を支えたSH斎藤直人(サントリー)、SO岸岡智樹(クボタ)らがごっそり抜けた新生・早大に加わった大器だ。早大での活躍を踏み台に、目指すは2023年W杯フランス大会出場。桐蔭学園の先輩、松島幸太朗(フランス・クレルモン)とともに日本代表のジャージーを着て世界と戦うことだ!!
 「最初の1カ月で、大学レベルとの差を感じたので、試合をするよりも自分のスキルや体力を上げる期間をもらえたことは良かったです」
 伊藤大祐は落ち着いた口調で言った。桐蔭学園を初の花園単独優勝に導いた主将にして司令塔。早大でも即戦力間違いなしと思われたが、自身の感覚は違っていた。高校日本代表のウェールズ遠征が中止になり、3月初めから参加した大学での練習が意識を変えた。
 「たとえば1歩目がほんの少し遅れただけで、以前は抜けていた場面でDFの指が引っ掛かる。毎回のポジショニング、出るタイミング、ちょっとの差でクリーンに抜けなくなる。全ての場面で精度と質を上げるために、原点からスキルをつくり直しました」
 懸垂器、ダンベル、壁に投げると真っすぐ戻ってくるシャドーボールを買い込み、1人でトレーニングを重ねた。さらに刺激は海外からも。
 「スーパーラグビーは全部見ています。特に勉強になるのはクルセーダーズのSOモウンガ。ボールタッチが多くても、一つ一つのスキルが正確だから、自分で仕掛けるスペースもできる」
 さらに偉大な高校OBの存在もある。昨年のW杯で大活躍した松島は桐蔭学園の9学年先輩。松島と同じ全国制覇で高校ラグビーを終え「いつか松島さんと一緒にプレーしたい」との思いは、現実的な目標に変わった。次のW杯の時は大学4年。「遅くてもその前年には日本代表に入っていないと。そのためにまず早大で活躍して、日本代表に呼ばれる選手にならないと」
 高校時代はFBからCTB、SOとポジションを転々とした。大学ではどこを?と聞くと「どこでも」と即答した。
 「BKはどこでもできるユーティリティーな選手が目標です。そうでないと日本代表には呼ばれないと思いますから」
 早大は6月中旬から段階的に練習を再開。8月に入り、コンタクトありの段階に入った。
 「タックルするとラグビーした感じで、新鮮だったし、楽しかった。アタックでもディフェンスでも体を張れる選手になりたいですから」
 伊藤の目が光った。攻と守、スキルとフィジカル、全ての面で世界基準を目指す19歳が、大学ラグビーの主役に躍り出る。
 ▼伊藤大祐(いとう・だいすけ)2001(平成13)年7月15日生まれ、福岡県久留米市出身の19歳。179センチ、85キロ。ポジションはSO、CTB、FB。早大スポーツ科学部1年。小1のとき筑紫丘ジュニアラグビークラブでラグビーを始める。久留米市諏訪中から桐蔭学園高(神奈川)に進学し、3年時に主将として全国大会単独優勝。U―17日本代表、高校日本代表。姉・優希は女子7人制&15人制日本代表。

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