米軍、南軍旗使用を実質禁止 トランプ氏と隔たり
【ワシントン=中村亮】エスパー米国防長官は17日、1861~65年の南北戦争で奴隷制維持を目指して戦った南部州が掲げた南軍旗を米軍関連施設で使用することを実質禁止した。使用を支持するトランプ大統領との隔たりがあらわになった。
エスパー氏は内部文書で、使用が認められる旗として米国旗や州旗などをあげたが、南軍旗は明示しなかった。「旗は軍に必須となる善良な秩序や規律と調和し、全ての人に威厳と敬意を示し、分断を招く象徴であってはならない」と指摘した。米軍は非白人の割合が4割程度を占め、奴隷制を想起させる南軍旗を禁止すべきだとの意見が広がっていた。
トランプ氏は人気自動車レース「NASCAR」が会場内での南軍旗の掲揚を禁じると「NASCARの評価は最低ランクに落ちた」と批判した。米メディアによるとエスパー氏は内部文書に「南軍旗の禁止」を当初盛り込んでいたが、トランプ氏の反発を抑えるために削除。使用を認める旗を列挙するだけにとどめて「南軍旗は実質禁止」にしたとみられる。
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