沖縄・石垣市「尖閣」字名明記、来年以降に先送りへ 中山義隆市長が表明 「手続き」理由も国と調整?

沖縄県石垣市の中山義隆市長(高橋朋彦撮影)
沖縄県石垣市の中山義隆市長(高橋朋彦撮影)

 尖閣諸島を行政区とする沖縄県石垣市の中山義隆市長は11日の市議会12月定例会で、同諸島の字名に「尖閣」を明記することを来年以降に先送りする意向を表明した。中山市長は市議会9月定例会で今定例会での議案上程を明言していたが、この日の答弁で「事務的なミスをなくすための作業を行っている。実現できなかったことは申し訳ない」と陳謝した。

 中山市長は尖閣諸島の字名を従来の「登野城(とのしろ)」から「登野城尖閣」に変更する方針を明かし、「議案はできるだけ早急に出したい」と強調したが、具体的な上程時期については言及を避けた。

 一方、漢那政弘副市長は「国と調整をしなければならない。決定への過程だ」と説明した。質問に立った仲間均市議(「尖閣諸島を守る会」代表世話人)は、地方自治法第260条で字名変更は市町村長が議会の議決を経て決めるとしている点を挙げ「国に申し入れる話ではない。市長が決めることだ」と強調した。中山市長は、尖閣諸島の字名変更への対応をめぐって政府側と協議したことはないと述べた。

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